第23話 吉保の誤算
どうやら、
屋敷の者が
光圀公を良く思っていない大名は多い、
私は
「いい
万姫さまに刺客の存在を知らせねばなるまい。さぞ怖がらせてしまうだろうな。
紅に取り次ぎ、
「おはようございます、万姫様。
「おはようございます。父上に手紙を書いていたら、そのまま
「覚さま、ご心配には
紅は、お姫様抱っこのポーズをとると
紅の言おうとすることは理解できないが、刺客が私たちを狙っていることを伝える。
「昨晩、私たちを狙う刺客と
「そうなの?でも、刺客は伯がやっつけたんでしょ?」
「刺客は一人ではございません。次々と江戸へ送られてくるのです」
「紅が命がけで
いつの間にか伯を畳に組み伏せて、背中に乗り足を引っ張っている。
「命はかけてほしくないけど、それなら用心しなくちゃね」
今ひとつ
「・・何?しくじりおった?」
「
家老の取り巻きの一人が、耳打ちする。
「くそっ!あのジジイを、いつまで生かしておくつもりだ!・・・藤井!藤井を呼べっ」
光圀公の元家臣であったが、数年前から能役者に転身する。
「ご家老、あまり
「藤井!なぜ上手くいかんのだ?腕の立つ者を揃えておらんのか!」
「お言葉ですが、今回の狙いは
「💢!!ええええいどいつもこいつも!」
柳沢吉保は無言で
藤井も、もう少し若くて
もう一人のスポンサー、鈴木市十郎と酒を飲んでいた時に呼び出された。
市十郎と
「待たせて悪いね、家老のご機嫌取りも楽じゃないよ」
「俺も同じ様なものだ、御隠居のワガママに
「御隠居は元気かい?もう何年も会ってないからな。どうしているのか気になっていたところなんだ」
「相変わらずの
「娘?初耳だな」
「今回は、その姫様の江戸見物に付き添って来たんだ」
「ふ~ん、覚兵衛と姫ねぇ・・・・」
水戸藩上屋敷 小石川邸
「覚兵衛ではないか!父上も一緒か?」
「いえ、
「万姫とは?」
水戸藩三代目藩主 徳川綱條公は藩主であるが、江戸に常駐している。
「領民との間にお産まれになった姫様でございます」
「なに?隠し子がいるのか?歳はいくつだ?」
「十六とおっしゃっております」
「十六か・・年の離れた妹とは、さぞ可愛いのだろうな・・・覚兵衛、姫をサッサと連れてまいれ。ぜひ会ってみたいぞ」
ニヤニヤしながら
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