第20話 江戸へ②
「まりちゃん、この人たちは?」
お
「あはは、私が連れてきたお客さん」
「そうじゃなくて・・・・」
おさきがフルフルした手で湯吞を置く。
続いておじさんが天丼を持ってきた。
「とりあえず食べてから説明するね、いただきます。」
どのネタから食べようか。
小エビのかき揚げ・うど・ワラビ・
どんぶりを持ち上げ、ご飯と
茄子の水分と
「いいねぇ。
おじさんがお茶のおかわりを入れながら、
「だって、
「おやじ、
(天麩羅食べたかったんかい!)
「へい、まいど」
「ご当主、おれも!いいっすか?」
「おれも!」
商人の連れたちが、次々に注文した。
「姫さま、いい
「覚兵衛さんたちは?おいしいよ」
「私たちは万姫さまにお
覚兵衛も紅も
伯は、私よりも先に天麩羅食べてるけど・・・
(私は、いい
「材料が無くなったから今日は店じまいだ。おさき、
「はあい」
おさきが暖簾を片付けるため店の外に出る。
「ありゃ、おじさん申し訳ない。私たちが食べつくしちゃった?」
「いいんだよ、
暖簾を片付けて店に入ってきたおさきに声を掛ける。
「今日はね、おさきちゃんに話があったの」
「なあに?
「私ね、これから江戸に行くの。いつ帰るかは分からないけど、
「
おさきは観光に行くのだと思ったようだ。
(ちょっと違うんだけど・・ま、いっか)
「うん、楽しんでくるね」
「ところで、まりちゃんのこと姫さまって呼んでるこちらの方たちは?どなた?」
「あーー何て説明すればいい?」
覚兵衛の顔を見た。
「姫さま、わたしからご説明いたしましょうか?」
「うん、お願い」
おさきも覚兵衛の方を見る。
「私たちは、
「万姫様?って誰?」おさきは首をかしげる。
「おさきちゃん、私のことよ。大殿様が私に名前を付けてくれたの」
「どうして?大殿様が?」
そうだよね、
覚兵衛が、続ける。
「万姫様は大殿のご
「ご?」
「私ね、大殿様の娘なの」
例の印籠を
「・・・・え!え!えええーーーーーーーーーーーーーーーー!?」
店の中に、おさきの声が
「まりちゃんが・・・まりちゃんがお姫様だなんて・・・私は今まで何て
「おさきちゃん。私たち友達でしょ?今まで通り、仲良くしましょう」
「まr・・万姫さま?いいの?」
「当り前じゃない!私の大切な友達だもの」
友情を再確認して、
振り返ると、おじさんとおさきが店から見送りに出てきてくれていた。
「行ってくるねーーーー」
二人に手を振る。
親子は、私たちにゆっくりとお
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