巨大化する水神

「なぁみんな」

「「なに」」

「組織大分でかくなったから師秋誘わね」

南海道で新しい味方とシノギを手入れここからどうしようという時に勝千代こと土屋正胤が四国連合の幹部陣に問いかける。

「でも、直に誘っても乗ってくれないと思うけど?」

「高坂を使えばいいと思わないか」

「あぁ」

誰かのスマホの通知がなった。

「茶々丸から、クリスマス師秋達とパーティーしないかって」

そのメールには茶々丸からの意外なメッセージであった。

普段は喧嘩やグレーもとい完全に真っ黒なことをやっているが周りにはよく遊びに誘ってもらっている。

「これって師秋誘うチャンスじゃね?」

「じゃあ、拒否されたら高坂を経由して誘おう」

そうして師秋を四国連合に誘う手だてを立て北陸道を経由し東都の自宅向かう最中に一つ事件が起きた。

「おい、お前ガンつけてんな」

「なんだ、やんのか」

「やめろ藤次郎」

糸魚川の海岸沿いで翡翠を探していると地元の不良どもに絡まれてしまった。

「おい、こいつら四国連合の土屋正胤達だぞ」

「ひっ」

不良グループの一人が正種本人だと気がつくと空気が凍りつき腰を抜かしてしまっている。

「おい、お前ら一人辺り月二万渡すか解散するか選べ」

「えっ、えっとすっすいません解散します」

「分かったでだ翡翠って見つけられる」

「はい!!」

「一緒に探そうか」

そうして不良グループと一緒に翡翠を探し運良く4つ程の翡翠が見つかった。

「あれで良いのか?」

「一応連絡先をてにしたから何かあったら呼びつけるし良いよ」

地元の不良と連絡先を交換し新幹線揺られること一時間半正胤がメンバーに声をかけた。

「おしもう付くから用意しろー」

東都の北の入り口千住に付きそこには茶々丸の出迎えがあった。

「久しぶり」

「久しぶりって程でもないがな」

「これ翡翠」

「ありがと」

「クリスマスで師秋誘うけど断られたら高坂経由で」

「了解した」

茶々丸に師秋をどう誘うかを簡単に話し今回の遠征での目玉土産を全員で楽しんでいる最中に何者かがアジトにきた。

「助けてくれ!!」

「何者? 名を名乗れ」

「奥羽越同盟新発田連隊溝口直種」

「同じく奥羽越同盟三春連隊秋田貞季」

「並び奥羽越同盟弘前連隊津軽信安含め同盟から連合に移りたいもの七名」

「皇国党小野寺崎守と小土橋安橙」

「国民達の地下組織から来たルートヴィヒ•フォン•ハノーファーです」

「どうした?」

「同盟内にて暗殺されかけたゆえここに来た」

「連合に話が会って来た」

奥羽越同盟は南は会津と越後新発田北は大間に至る半グレ同盟である。

「同盟は関東地方に進行します。てかしています。」

「はぁ? 現状はどうなっている。」

「現在会津西街道と日光街道の結節点日光口もとい今市にて宇都宮の戸田勢が交戦中」

「ならびに茨城県と磐前県の大津港、下野宮、徳田町で水戸の武田勢、松岡の中山勢及び栃木黒羽の大関勢が交戦中」

「同盟側の勢力は?」

「今市に会津の保科勢と白川の榊原勢が下野宮、大津港、徳大町で天童織田勢、八戸南部勢、亀田岩城勢が出動しています。」

最初はカチコミだと思っていたが奥羽越同盟と右翼団体二つからの亡命であった。少し間を空け政金と正胤が声をあげた。

「したら生駒と六郷、夜叉丸、新九郎は高知の長曽我部、香宗我部と紀伊の安堂、浅野のとこまで行って協力をつけてこい」

「それと茶々丸と藤次郎それに溝口と秋田は小田原大久保と安中の板倉そして忍の阿倍に声かけろ」

「最後に佐竹と戸沢は現場で待機しつつどのくらいで援護が来るか現地勢に伝えろ」

名前が上がったメンバーが一斉に了解の意志を示すと作戦が決行される。

「早く援軍来ないかな」

「ほんとだね」

現地勢も苦境にたたされつつも対応している。

しかし予想外にも協力を仰がれていた勢力以外も加勢したのが驚きだと正胤が目を丸くして言う。それは主に紀伊湯浅勢、土佐安芸勢、伊予河野勢、讃岐十河勢さら驚いたのは上田真田勢、松代酒井勢、壬生日根野勢など連合の勢力外から加勢し始めたのだ。

「大関さん後十五時間以内に湯浅勢、安芸勢を向かわせるそれで大丈夫か?」

「はい後二十時間は耐えれる」

加勢する勢力が想像より早く急行して来たため戦局は防戦一方から一気に攻勢にでれるようになった。

「敵が混乱している突撃!!」

「湯浅殿、安芸殿加勢してくれてありがたい」

「こちらこそ手勢が暇をしていたところ戦いの場を作ってくれてありがたい」

「おう、ようやく平めな土地で戦えるなんてありがたい限り」

それからひとまず白河、いわき、棚倉まで押し返し同盟と和平のテーブルに付くことができた。

「お前ら何故攻めてきた?」

「そちらに溝口以下九名が逃げ込んできただろそれでだ」

「いやこっちには来ていない溝口というものは一切来ていない」

「本当か?」

「本当だ!! そうでなければ仙台や天童まで攻めていたは!!」

「確かに分かった磐前県、若松県、福島県の南はあんたらの勢力圏で良いこれ以上北に来るな!!」

「攻めてきたお前らが言うか!!」

「お前らが落ち着け」と茶々丸が制する。結局この和平交渉で決まったことは磐前県と福島県、若松県のいわき市の小名浜と檜枝岐村を棚倉、白河、南会津を途中点にしそれよりは南は連合の勢力圏になり幹部の輪王寺篠笠、伊達村宗、上杉鷹草からの謝罪が決まった。これ以降も連合と同盟で小競合いが起こってしまうが同盟側が負け続きでその後再び話し合いが行われ刈羽村から群馬県境を通り川中島を境にとった。この一連の戦いで双方会わせて600人近くが負傷をしてしまい150人が重傷を追ってしまった。

これ以上凄惨な戦いが起こらないことを切に願ってしまう正胤であった。

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