第5話 雪の華
息が白い。
花屋まで走れ。足が痺れるまで走れ。
花屋は閉店の片付けをしてる。
「すっすいません、、。
花を、、。両手に抱えきれないくらいの
ありったけの花を、、。」
花屋の女性はゼーゼー言いながら必死の僕を見て、驚いた様子だったけど。
「どんな方に差し上げるのでしょう?
教えていただいたら、お花を選びやすいんですけれど。」と言った。
僕は、髪は艶やかで、意思の強そうな眉と静かな瞳、笑うと太陽の光が全部集まるようなとか何だか思いつくままに話した。
女性の店員さんはあれこれと手にとっては
少し考えたりしながら、花束を作ってくれた。
それは、白い花の中に赤、黄色、ピンク、ブルーが色とりどりに散りばめられた美桜に
ぴったりの物だった。
僕は店員さんにお礼を何度もいいながら
病院へと駆け出した。
美桜、待ってて。
もう、少しの間。
眠らないでおくれ。
君のところへ行くから。
ああ、雪が降ってきたのか。
そうだ、この神社を通れば近道になるはず。
僕は神社のお社の前を通り越して
長い階段を駆け下りたんだ。
雪のせいで、石段が濡れているのにも気がつかなかった。
体がぐらりとした瞬間に僕は、、。
美桜、ごめん。
僕は馬鹿だね。
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