第4話 外は白い雪の夜

腕時計を見たら、拓ちゃんが中庭にくる時間だった。

検査が長引いたの。

慌てて、中庭に行ったわ。


そこには拓ちゃんはいなかった、、。

ベンチに座って本を読んでみたけれど、

全然、頭に入らない。

拓ちゃん、、。

そうなのね。


ふふ、いやだ。本にポトリと涙が滲んだ。

情け無いなぁ。

えーい、落ちるな、涙くん!

空を見上げよう。

ちらちらと白いふわふわした雪が舞ってる。


こんな日で良かった。

春や夏だったら、思い切れない気がした。

寒い、、。

いやだわ。

八時じゃない。

看護師さん達に叱られちゃうわ。


大丈夫よ、美桜。

貴方は今日の事を明日にはすっかり忘れてしまうのだから。

そう、もう、あのノートは捨てなきゃね。


明日から新しいノートにしよう。

でも、何を書くの?





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る