第10話 都市カルカヤでの一日
《ヌシ》の暴走で壊滅的な被害を受けたかに思えたジュビア地方唯一の都市カルカヤは。
結論から言うと、無事だった。
それもそのはず、暴走した《ヌシ》は都市カルカヤの個体ではなく、どうやら野良の《ヌシ》とのことだった。
道中に恙無く自己紹介を経て聞いたところによると、聖騎士曰く、都市の《ヌシ》が暴走していたらあんな竜巻一本の小規模で済むはずが無いのだと言う。(結構な規模だと思ったのに…。)
都市を興せるくらいの領域の規模が決まった《ヌシ》と言うのは、俗世への興味が薄れるに連れ領域侵食をして範囲を拡げることより、領域深度を深めることに意識が切り替わるらしい。ヒトに例えると、現界が第一次成長期で《
そう答えたあと「まあ、アタシとダーリンの二人でなら全然余裕だけどね!ダーリンがその気になればだけど!」とのジョークには苦笑するしかなかったが。(
割りと信じていないエクス少年の隣で地味に笑顔で固まっていたアウィリトの反応を鑑みるに、格.参のおよそ倍の実力の人外をたった二人で攻略出来る発言はあながち冗談じゃないのかもしれない…。
また、都市カルカヤの《ヌシ》は現界の姿が大柄の
つまり聖騎士の同行理由としては《ヌシ》を暴走させた外的要因の調査と言うわけだ。
……道中の様子を見る限り正当な理由がついでで、単にノックスと離れたくない雰囲気をひしひしと感じたのは気のせいだと思いたい。
はじめ聖騎士はエクス少年たちの存在に本気で気付いておらず、その日の野営時にやっと気が付いて驚いていた。ノックスと二人きりだと勘違いしていたようで、自己紹介の機会に恵まれた後、少々…いや大分残念そうだった。青少年たちが居ては何も出来ないとボヤいていた。聞き咎めたノックスが夜間中は聖騎士の身柄を鎧蜥蜴の相棒の下敷きにして安眠を確保していた。とても慣れた様子のトララフエパンが印象的だった。(テゥント聖騎士は苦しそうに抗議し通しだった。)
そんな四日間の移動を経て、いつの間にか、穀物食べる月から半裂き試す月に変わっていた家の日。
一同は雨林の支流を辿り、その全ての川が集まる緩やかな低山を越えた先の中心地、大規模なカルデラ湖へ到着した。一日前の山中から眺望した大自然の超大な湖の絶景すぎる景色にエクス少年が口を開けて惚けていたのは言うまでもない。
途中《台風》の被害にあった村落もあったが、たったの数刻で鎮めてくれた彼の有名な聖騎士を有難がり感謝するヒトの方が圧倒的に多く、自身たちの方が大変なのに心ばかりの品を渡されるのも少なくなかった。復興には後で神品の派遣とともに都市の有志を募るのでそれまでは頑張ってほしいと、貢ぎ物を断り聖騎士の鑑のような台詞で応えていたテゥントはちょっと変なのを考慮してもとても頼もしかったとは、エクス少年の談だ。
低山の中心で同じく低岳の地形がぐるりとカルデラ湖を囲む隙間からは、数多の支流が白い本流の流量となって湖の河口へと注いでいる。
本来カルデラとは火山が噴火した後に出来る地形のことだが、ことこの異世界に至っては創世神話での《大陸の神ジェミャーブアャ》が《火の神アリアピファーン》の自慢の羽毛を剥ぎ取った際の拳の打ち下ろしで出来たと
そして都市はカルデラ湖の畔にあるのかと思いきや、カルデラ湖そのものが都市として成り立っていた。
二柱の仲裁に入った《雨の神ワオラージューレー》は自身の美しさの象徴だった自慢の羽毛を剥ぎ取られて地に落ちパニくる《火の神》を冷やすため、陥没した台地にジュビア地方の水をすべて集めて雨林ごと沈めた経緯がある。そのため雨林から続いていた支流や本流そのものがこのジュビア地方では道であり、その道から外れると《火の神》の毟られ散らばった羽毛の幻覚作用のせいで雨林の中を彷徨い正規ルートには戻れなくなるのが通説だ。なので、エクス少年たちは第四世代以外のヒト用の歩道を歩いていたことになる。
確かに、村落の半ばにも必ず支流が幾本も通っており、その川の中を第四世代の
要するに、都市カルカヤはカルデラ湖の水流に沈んだ水没林だったのである。
この神秘の水没林の底には都市カルカヤの《ヌシ》の領域があってそこは巨大な泉を有する鍾乳洞だとテゥントは言った。
さらにその下、鍾乳洞の泉の底は、深海を超えて
…………まるで行ったことがあるような口振りのふたりだが《ヌシ》の領域は巡回で入れるとして、普通のヒトは冥海に行けるはずがない。冥海は謂わば冥界。つまり死者が死後逝く
仮に本人が行ったことがあると言うのならそれは臨死体験であって、要らない情報だなとエクス少年は一笑した。
─────後にここから生身で冥海へ行く羽目になるとはこの時露ほども思わなかった少年である。それはそうだろう。誰も
滝の集約点である水没林の都市カルカヤは、支流から本流に合流すると、川幅の広いままカルデラ湖を横断し、ちょうど中心に穿たれた大井戸の淵のような隙間に次々滑り落ちていっていた。そこから逆流して、どういう原理なのか、はたまた人外の御業なのか向こう側の見えないぶっとい水柱が噴水となって空へ打ち上がっている。噴水のベールはさながら都市エキナセアのシンボルツリーの樹冠にも引けを取らない広範囲を覆い、カルデラ湖の河口の渕まで届いている。おそらく都市の余地範囲が噴水のベールまでなのだろう。
この噴水に支えられて丸く造形された大きな何かが遙か頭上でゆらゆらと小舟のように揺れている。
するとそれを認めたノックスが「なんだ、神殿戻ってるじゃんか」と笠をずらして上を仰いでいた。マクラメ編みについたタッセルが邪魔そうだ。
え?!あれが神殿?!と瞠目するエクス少年は改めて都市全体を見渡した。
水没林の多くはマホガニーの広葉樹とシダーの針葉樹が主で、水面近くには
都市は二本の本流で西と東に分かれ、水没林の木々をぶった切る巨大な岩石が湖に多々突き刺さっていた。これらの表面は苔むし、雨林の花や実を付ける箱庭のような様相をしていて時間を忘れて鑑賞できそうだ。
そしてこの都市の特徴として、建物としてある建造物群は木枝を様々な技法で編み、組み立てたドーム型が多くあった。これらは水没林を支柱に接着して建てられていたり、時には木々を繋ぐ空中通路をつづら折りのように湾曲させ高床式の支柱を立てた上に建築されていた。住宅っぽい枝編みの建物には壁は無く、薄い紗やネット編みが間仕切りの役割をしているようで、隙間のある枝編みも加えて風通しが良さそうだ。この地方の湿気を逃がすよくできた設計だろう。都市の所々には落下防止だろうか、周囲をネットで囲んだ広い板間を基盤に日差しを遮る屋根のみ編んだ店舗っぽい建物が半円に連なっていたりもする。川沿い以外は飛び板やロープ、吊るしたネット、枝編みの足場にトンネルと、上下無尽に必要な通路が張り巡らせられてあってまるで迷路のようだった。
はて建物が空中に浮いていたり水面より高い位置にあるのなら、川を泳ぐ沐人はどうやって利用するのかと疑問なところ、なんのことは無い、普通に
はしゃぐエクス少年とケツァール地方が地元で外に出たことがなかった為、静かに感動しているアウィリト青年を横目に置いて。
本流を仕切る茅の沈む浅瀬を水柱に向かって進むノックスとテゥントは裸足の指の間を擽っていく
彼女たちからすると魚が宙を泳ぎ、同じ言葉でヒトと喋っているのは違和感のある光景だが、この異世界では沐人と魚は明確に違うものであり、そういうものなので、水産物を食す沐人をみて共喰いと思うこと自体突飛な発想扱いを受ける。まあ思うだけで誰にも言ったことは無いし、
それはさておき、比較的木々が密集している東区に総合ギルドや軍の支部、職人の工房、市場などの言わば公的な施設がまとまり、刺さる岩石の多いぶつ切りの西区には住民の家や宿泊所、酒場などが集まっている。
さてまずは今日の宿から決めておくかと西区に向かうつもりで号令をかけようとしたノックスの頭上に影が差した。その影はトララフエパンと変わらぬ大きさでノックス一行を覆う。
[アルタ・マール!よくぞお出でくださいましたわ!]
背景に“キュアーッ!”とでも漫画のポップ文字が入りそうな勢いで叫んだ実体とは、白い腹側、黒い背面、大きな背びれ、両目の上にある
背びれの根元から横びれを通り、羽衣のように漂うのは、精緻な模様を施された神聖象徴のある
「お加減いかが、オン司祭」
[お肌は潤っておりますことよ!ただし《ヌシ》様のご機嫌は干潮でございますわ!]
「オセアノ司祭、ご機嫌よう」
[トリアイナ様もご一緒でございますこと!なんと幸運な!あたくし、もうほんとうに、ほんっとうに今回の件には参りますことよ!!]
「その経緯も含めて伺いに参上しております。《台風》の影響を軽被害で抑えられて僥倖でした。後ほど、救援のお話もお時間いただければ」
[えぇえぇ。勿論ですこと!お心強くございますわっ、トリアイナ様]
くわっと牙の並んだ口を開け、如何せん表情筋が分かりづらいが怒り心頭のオセアノ司祭が、片手を挙げたノックスと、片手で目隠しをする簡略の祈りの仕草で礼をしたテゥントに力強く応答する。
大通りに値する本流での邂逅に、道行く住民が巨体の司祭に気付き、御前の
もちろんさらに下っ端だと勘違いされたらしいエクス少年にも次々とお礼の品が渡される。しかも果物や飲み物といった重いものばかりが有無を言わさず。アウィリトを見ると彼には小菓子やお布施など比較的に軽い物が多いので、格差社会厳しいと少年は遠い目をした。
強者だとトララフエパンを見知っている住民は、鎧蜥蜴の鞍に箱ごと品物を括っているではないか。気安くノックスに声を掛けてちゃっかり要望を告げる細工師に笑って応じては、周囲の者に
[あらあらあら。あたくしとしたことが、気も利かずに申し訳ございませんこと。場所を移動いたしましょうね。神殿までご案内いたしますわ。さあ、皆様!お気遣いいただき感謝いたしますことよ!道を開けてくださいまし!]
どんどん荷物とヒトが増える現状にオセアノ司祭が尾を打つと、本流の水が一筋持ち上がり、ひとりでにうねった後、宙に水の道を作った。それははるか頭上にて噴水で支えられている、ゆらゆらと揺れる建造物まで伸びる。
ぽかんと口を開けるエクス少年に構わず、鯱の身を水流に沈めてさっさと泳いで行ってしまった司祭に続き、トララフエパンに乗ったノックスとテゥントが陸の道を歩くように水を踏みしめて進む。
これは第四世代である沐人たちの固有能力で、水さえあれば如何様にも操れると言う。身体的特徴からして泳ぐことが他世代の歩くに相当する彼らは、宙でさえ泳げるが、本領を発揮できるのはやはり水中である。急いでいる時や走る時はこの様にして自分の泳ぐコースを水引きするのである。ただし、他世代にもコースを提供できる沐人は、司祭のような大型の第四世代に限られている。小魚が道を作っても自分以上の大きさを支えられないように、己の体積ほどの水量を操作し支えられる力が必要なのだ。適性色とはまた違った適性が要るのである。
噂では聞いていたが、いざヒトが目の前で水の上を歩く光景を目の当たりにすると驚きを隠せないまま、爪鳥に跨ったアウィリトにも促され、エクス少年はおっかなびっくり爪鳥に乗りコースへ進ませた。
故郷や都市エキナセアでも暮らすのはほとんどが第五世代で、第二、第三世代を見掛けても彼らの固有能力は有事でもなければそうそう拝めない。 それに彼らも身体的特徴や生態に準じた暮らしをする者は人里には用が無ければ近付かず、つまり都会育ちのエクス少年は他世代に免疫がなかった。驚く半面で第四世代が内陸や国に居着かないのも暮らしづらいからかと理解する知見を得た。ここほど水源が豊富な場所は無いのだろう。
シンボルの噴水へ進む傍ら、小魚の
先を進む鎧蜥蜴に追い付くと、彼ら彼女らはぱくぱく口を動かして何かを聖騎士に語りかけ、ひと塊の生き物のように周囲に散ったり集まったりを繰り返す。
テゥントが何かの合図を手振りですれば、オセアノ司祭が作った水のコースに飛び込んで、神殿へ登る水の流れに逆らい下って行ってしまった。爪鳥たちの足下を次々と魚影が過ぎていく。沐人はコースの中を使えるのに、水上を歩けるのはどういう仕組みなのかエクス少年は不思議に思った。
[さあさあ、こちらへ。アルタ・マール、トリアイナ様。本日は朝餐はお済みですこと?]
「軽めに」
「
[まあまあまあ。水臭しゅうありませんこと?西区にお宿をとられずとも神殿ですべてお手配いたしますことよ。それならば暫しお休みいただいて昼餐はご一緒いたしましょうね。
水上コースを登り終えると噴水の頂点には、船の
その建物は建てると言うより編み込んで組んだと言った方がしっくりくる見惚れるような曲線美を見事に生み出している。
現実世界の巡航客船に比べたら中型寄りのものだが、文明が神々の権威濃い前時代的な異世界であれば十分に大きな建造物であろう。見上げるとゆうに四階建てはある収容規模だった。
これが都市カルカヤの神殿である。
そして神殿の周囲を目を引く鮮やかな色彩のベタの沐人が一定の範囲を担当しているように己の体積とほぼ同等の大きさの鰭を靡かせて宙を巡回していた。
彼らは神殿騎士である。ベタの別名は闘魚。小さくとも縄張り意識が強い肉食の観賞魚として現実世界では広く親しまれていたが、この異世界ではどんなに美しくとも大きさがヒトの顔ほどもあるので安易に親しみにくいものがある。彼らは
己たち神殿騎士の上位のテゥント聖騎士を認め、礼をする動作でさえ鰭が花咲くようで美しい。
そんな派手な花道を泳いで先導するオセアノ司祭の
[オセアノ司祭、参りましたー]
現実世界では
アウィリトと同じ
[あ!アルタ・マール!いらっしゃいませー]
[ようこそ、トリアイナ様ー。それから、おんなじ補祭の子が居るねー]
語尾をのばす調子でノックスとテゥントに挨拶を済ませると、人見知りをするのか、さっとエントランスの壁に隠れてしまったふたり。そっと壁から顔だけ覗かせている。
「リソにオンダ。リソ、オンダ。こっちはアウィリトでクオ司祭付きの輔祭。隣のが六等級探索者で駆け出しのエクス」
[クオ司祭の?わあー、仲良くしてね。僕、リソ。オセアノ司祭付きだよー]
[おんなじオセアノ司祭付きで、オンダだよー。リソは兄なんだー。ボクら、クオ司祭にお会いしたことありますよー]
「初めまして。リソ、オンダ。ご紹介に預かりましたアウィリトでございます。良しなに」
「エクスだ」
ノックスの簡単な紹介の中に見知った名前が出て親近感を感じたのか、そろ…と壁から出てきたリソとオンダ。
正直どっちがどっちだか判別をつけるのに時間がかかりそうだが、兄弟であるらしい。通りで似ているわけである。
[まあまあまあ!サルト・デ・アグワの輔祭ですこと?アルタ・マールがお出でくださいましたのは彼の御方の差配ね。ほんとうに抜け目がございませんわ。いっそ腹立たしいこと]
「恐縮至極でございます。オセアノ司祭様」
[まあ、よろしいわ。こうして神殿が戻ったのもアルタ・マールのお陰でしょうからね。《ヌシ》様の干潮気味のご機嫌も満潮にしてくだされば文句ありませんことよ]
「まだ何もしてなければ、する予定もないんだが?クオ司祭の依頼にご機嫌伺いはあってもご機嫌取りは入ってないぞ」
[あたくしから、嘆願を出しますことよ]
「やだー。迂闊…」
うふふ、と強かな笑みの滲んだオセアノ司祭の無茶ぶりに、全力の顰めっ面をするノックスから、トララフエパンの手綱を寄ってきたベタの神殿騎士が受け取る。心なしかひらひら泳いだ軌跡をも光っているように見える美しい神殿騎士に従って、利口な鎧蜥蜴は獣舎のある
エントランスから神殿に入ると、下の地区同様、窓が無い造りで編み込み組まれた壁は、編み込んだ隙間から噴水の
広々としたエントランスはそのままサロンとなっており、右手に数脚の籐椅子が設置され、マクラメ暖簾で遮られた向こうは個室の応接室らしい。その隣は小上がりの受付台が設置され、奥に神品の休憩室があるのか、薄い紗が揺れる先から楽しげな声が漏れ聞こえていた。
サロンを抜けた先は建造物の円形に沿った曲線のエントラスホールが続いていて、籠の中のような神殿内に設けられた壁の途切れた間口には
オセアノ司祭と喋るノックスとテゥントは先に進んでしまうが、物珍しさにとくと観察するエクス少年の歩みは遅い。その様子に案内するリソとオンダが嬉々として内部の説明をしてくれた。
エントランスがあるのは一階で、あの神聖象徴の間仕切りの奥は礼拝堂だそうだ。礼拝堂の天井は二階、三階と吹き抜けになって、外壁に沿うように通路と部屋がある。二階が司祭や輔祭の神品たちの居室で、三階が客室と来客用の小食堂がある。吹き抜け側には、簡易の聴講席もあるとか。面白いのは地階があり(おそらく船底部分)、基本関係者以外立ち入り禁止だそうだが、そこは獣舎と繋がるピロティ部分と多目的ホールと小多目的室、厨房、倉庫、ロビー、ドライエリアまであるのだとか。
感心するエクス少年のリアクションがお気に召したふたりは、すっかり打ち解けた様子で砕けた口調になると早速とばかりにエントランスホールの左手にある階段へ行き、客室までの案内と滞在中の世話も勝手出てくれた。
[オセアノ司祭はアルタ・マールとトリアイナ様とお話すると思うから、荷解きを済ましておくといいよー]
[疲れてなかったら、ケツァール地方とか、都市エキナセアのお話聞きたいなー]
「ご丁寧にありがとうございます。お話するのは構いません。迂生は大丈夫でございますが、エクス殿はいかがなさいます?」
「俺も全然いいぜ。まあなんか、疲れたは疲れたけどひとりでいると寝ちまいそうだし。話そうぜ」
[わーい]
[ここ一ヶ月はもんのすごぉく大変だったから楽しいなー]
「あ、その話もしてくれよ。俺、成り行きで連れてこられたから今一事態を把握しきれてなくてさ」
「迂生もよろしいでしょうか」
[いいよ、いいよー]
[じゃあ、お部屋こっちだから着いてきてねー]
小さい生き物はそれだけでなんか癒される。
例えリソとオンダが高い声質と喋り方から子供のようだと思っていたら、話の途中でアウィリト青年より歳上であったことが発覚してもそれは変わらない。
一番歳下で下っ端のエクス少年は敬語で話すか迷ったが、本人たちが気にしないと言うので公の場以外は気を付けることで落ち着いた。
どこからか調達してきたお茶菓子をお供に、四人の雑談はお昼まで続いた。
【
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