第14話 迷宮探査してみよう②

「軍歴証明書か帝迷資格はございますか?」


綺麗な女性の受付の人が慣れた口調で言う。


「ああ、俺はあるがこいつは持ってなくてな。俺の紹介で今日は入れる。」


「でしたら帝迷資格の迷宮階級が二段以上で許可されますが二段以上ですか?以上ならば資格をお見せください。」


「はい。」


山本が資格を提示した。


おお!すげぇ!なんか大日本帝国らしい字体とかしてる!感動だ!


と一人で感激していると山本に目を覚まさせられた。


「おい!大丈夫か翔!戻ってこい!」


「ああ、戻ってきたからそんな揺らさないで!オタクな部分が暴発しただけだから。」


「おたく?良く分からんが正気に戻ったんなら良い、早く行くぞ。」


俺は山本に付いて行った。



「なんか洞窟みたいだな......。」


「元々洞窟だったところが迷宮になったらしいからな。他には旅館とか、江戸城跡とか他諸々迷宮化している。しかもそういうところだけが危険度が跳ね上がる。江戸城跡なんて危険度最大の壱拾じゅうだし跡のくせに迷宮化に伴ってそびえ立っている。」


それは外だけでも見てみたいな。


「まぁ近づくことすら難しいがな。」


残念だ。


「てか心読めるの!?」


「なぁに観光したいとでも考えてるんだろうなと思っただけだ。」


――ヒタ、ヒタ、ヒタ。


そんな話をしていると足音が聞こえた。


「さぁ、無駄話は終わりだ。垢嘗の登場だぜ。」


山本がそう言うと姿を現したのは書物に残されているような垢嘗だった。






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