大きすぎた勘違い
色々な意味で驚愕である。
「え、えっと……え?グレイスも、女の子で……レミヤとレーテムも女の子なの!?」
マキナはただひたすらに困惑する。
自分のパーティーメンバーの性別を聞いて。
「いやいや!?それもわかっていなかったのかい!?」
だが、それに対して同じくグレイスも驚愕している。
「ほとんど体を晒していない僕や一切素肌を見せていないレーテムはともかくとして、レミヤの方まで勘違いしていたのかい!?」
グレイスとレーテムはほとんど体の露出はないので、勘違いするのも仕方なくはないが、それでもまだ納得出来る方ではある。
だが、そんな二人に対してレミヤの露出はかなり高い。
彼女は幼いながらも女性としての姿を惜しみなく晒しているのである。それに髪もしっかりと長い。
これでレミヤを男と勘違いするのであれば全人類を男であると勘違いするレベルであると言える。
グレイスの抱く疑問は至極当然であると言えるだろう。
「いや……レミヤに関しては初対面の時に自分で男って名乗っていたし」
だが、それに対するマキナの答えは非常に簡潔だった。
本人が男だと名乗ったから男だと思っていた……その一点に尽きる。マキナの勘違いの原因は。
「……男だなんて、話して……あぁ、確かに。未だ私たちの言語が怪しかった時に会った時の自己紹介では男って言っていたな。それで、そうか。確かに僕とレーテムは彼女が性別を間違っていることを一緒に入っていたお風呂で指摘しただけで、マキナ本人には訂正していないのか」
「それのせいだよ」
グレイスの言葉を聞いたマキナは我が意を得たりとばかりに責任は自分にないと声高らかに告げる。
「いや、だとしても気づくでしょ」
だが、それに対してもグレイスは冷静にツッコミを入れる。
普通は見た目で気づくものだ。
「いや、男か女かの判別を判別するのにはやっぱり股の方をしっかりと触らないとわからないよ。ちんちんがあるかないかだよね」
「……ちっ!?」
マキナはとことんズレていた。
彼の育ってきた環境は修羅そのものであり、まともな感性が育つような場所では決してなかったのだ。
「それにしても……そっかー、僕ってば既にハーレム状態ではあったのかー。ゴスペルのように毎晩セッ〇スすることだって夢じゃなかったのかー。やろうと思えば童貞を捨てることだって夢じゃなかったのか……早く教えて欲しかった」
自分の勇者パーティがただのハーレムパーティーであることをようあく知ったマキナは呆然と言葉を漏らす。
「~~!」
「とりあえずはお風呂入ってくるねぇー」
そして、何事もなかったかのようにマキナはお風呂へと向かっていくのだった。
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