奇襲
かつては山脈があった荒野へと足を踏み入れたマキナたち四人……そんな四人の頭上にいきなり巨大な龍が出現する。
「魔道解放・魔ノ界・龍帝雷光」
その龍は自然のエネルギーを伏服し、空気中の精霊たちを消費させながら発動させる秘奥義。
「わぁー。最初から飛ばしてくるねぇ」
のんきな声を上げるマキナの視線の先。
そこにいる瞳より血を流しながら準備を終えた一人の魔族より龍が放たれる。
「僕か」
白い雪が、否、雪のように見える白い光が落ちる中で巨大な雷の龍が落ち、マキナへとぶつかる。
「マキナッ!」
「待つのじゃッ!!!」
「……ッ!!!」
慌てて駆けよって助けようとするグレイスたちを魔法で一時的に動きを止めたマキナは魔法に打たれるがままとなる。
「ふむ。まずは分断か」
雷の龍による突進を食らい、天から地へと落ち、そのまま地面を削って地下へと落ち続けるマキナは一人、冷静につぶやく。
地下を進み続けるマキナを他所に地上ではグレイスたち三人が多くの幹部たちに囲まれている。
「あのレベルであれば問題ないか」
グレイスたちへと牙を剥いている者たちの脅威度を正確に、だが低く見積もったマキナは安心して地上の方を任せることを決意する。
「誘い込みは完璧か」
その果て。
荒野の地下にあった巨大な空間にまで降りてきたマキナは呟く。
「気づかなかったぞ!このような地下があったことなど!」
マキナは自分が落ちたその先。
どこまでも続く暗い暗い空間。東京ドームとかいうよくわからない指標が十個は入るであろう巨大な空間の中で。
ここを照らし上げる光の魔法を発動させるマキナが楽しそうに声を上げながら地面へと降りる。
「邪魔だ」
そして、地面に足をつけたその瞬間に己の身を襲っていた雷の龍を消し飛ばす。
「……無傷か。人間」
「まぁね?いやぁ、すまない。待たせたかな」
マキナは自分の前にいる一人の男へと軽い口調で声をかける。
「……いや、むしろ早いくらいだとも」
マキナの前に立つ一人の魔族。
四本の手に、3mを超える巨体を持った赤の皮膚を持った鬼がその闘志を漲らせながらマキナの言葉に答える。
「照明役感謝しよう……我はあまり魔法が得意ではない故にな」
烈火鬼神。
その異名を持つ魔王軍四天王が一人は一つの腕に大剣を、一つの腕にハルバートを、一つの腕にモーニングスターを持ちながら、一つの腕に大盾を持ちながら口を開く。
既に戦闘の準備は万端。
魔王軍四天王であるガーグはすべての武器を器用に構える。
「じゃあ、やろうか」
それに対してマキナは軽い口調で告げる。
「……ッ!?」
そして、そのまま先に動いたのはマキナであった。
一瞬のうちにして鬼の前に立った彼はただ足の一振りで───鬼の体を壁にまで蹴り飛ばすのだった。
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