エピローグ:お嬢さん/The Handmaiden
(1)
「勝てる手は有るぞ。まずは、短距離の競馬の試合を最初にやるように相手に言え」
隣国の王子を助けに来た兵隊を一番多く殺した者が「熊おじさん」の跡目になる。
その条件で
王宮と「熊おじさん」の組織の間では……7分3分ぐらいで王宮側に有利な「講和条約」が結ばれたけど……「熊おじさん」が死んだ後の跡目は決まらず、その上、「熊おじさん」の弟分が死んだせいで、その「縄張り」が「裏の権力」の空白地帯になり……ヤクザ達の抗争の火種は残ってるらしい……でも、束の間の平和は訪れ、隣国の王子様の身柄は王宮に引き渡された。
でも、解決してない厄介事は他にも有る。
隣国の王子様とこの国の第1王女との結婚を草原の民が認めない、って問題は残り……。
隣国の王子様……ちなみに本物……は第1王女……って、どこかに居る本物と、ウチのお嬢様のどっちだよ?……の結婚を賭けた試合が行なわれる事になった。
証人として、ダメ王子の国を含めたいくつかの国々の外交官達が呼ばれ……。
そして、試合当日、代りに出場する筈の偽物が死んじゃったせいで、本当に試合に出る事になった隣国の王子様に、第1王女の侍女のフリをしてるラートリーが、とんでもない助言をした。
「待て、何を言っている? 相手は……」
「そこが盲点だ。草原の民は、ここまで来るのに使った馬を試合に使うだろう。そして、その馬は長旅向きの馬だ。しかも、競馬の代表選手は連れて来た馬3頭の内2頭を失なっている」
「お……おい……待て……」
「すぐに手配出来る馬の内、一番、短距離に向いている馬を選べ。確実とは言えんが……これが一番勝目が有る手だ。1勝でもすれば、草原の民は結婚を認める。それで試合は終りだ」
「よし、判った。
「あ……あのさ……いいの、それで……?」
しかし……ラートリーは何も答えず……何故か、笑いを堪えているような表情を顔に浮かべた。
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