(11)
「あのさあ……君達、馬鹿なの?」
ラートリーが置いてった子は……当分は侍女のフリをする事になったけど……またしても起きてしまった……。
ボクが王宮に入った翌朝と同じ事が……。
元から居た侍女達が「新人教育」と称して、新入りの靴と服を隠そうと……した途端に、気配を察知して飛び起きた新入りにボコボコにされた。
もちろん、靴を隠そうとしたのは、侍女軍団の中でも、一番立場が弱い子で……命令した子は、更にボコボコにされた。
「ずびまぜん……ごれば……じんいりがばいっだどぎのごうれいぎょうじみだいなもので……」
「君もどうかしてるよ」
「そうか?」
「顔は勘弁してあげようよ」
「あ……ああ、うっかりしてた」
「あと、ここまでやったら……あと何日かは、この子達、マトモに仕事出来ないよ。この子達の代り、誰がやるの?」
「え……ひょっとして、あたしと……お前?」
「そう」
「この馬鹿っぽい上に、動きにくい服で?」
「そう……はい、人前で舌打ちしない」
「ちくしょう……」
「乱暴な言葉も使わない」
「クソ……逃げたいけど……わかった。こいつらを怪我させた分の働きはやるよ。やればいいんだろ?」
「はい、その通り。ところで……何て呼べばいいの?」
「えっ?」
「あの……何で、名前を訊かれただけで固まってんの?」
「え……えっと……いや……だから……その……」
「早く名前言ってよ」
「あ……あ……あ……アスラン」
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