第1話 fresh "mate-rial flow" ②
パルテノン神殿にかぶれたようなバタ
学級の前につくなり出入口をからからと開く
「おはよう!」
むしろ
そうして同級生にあいさつをかけると、いつもとろみのついた酸味が
同級生たちは、もっぱら遺伝子不良の話で
スキンに遺伝子不良はつきものなのだから、そういった問題をことさらに議論するのは時間のムダである。
「ってか、あのスキンプラント、最近エラー多いって聞いたけど」
「それ! ビギナークラスのセンパイも言ってたわ。
「うっそ! 皮膚硬化とか、ウチ心臓病よりムリなんだけど!」
時間のムダ話に、その日はどうしてか
「(何それ、
そうは思っても、同級生に文句をつけることは
しずりがいれば、こんな嫌な思いをせずに済んだのだろうに。
「ごきげんよう! 学生
始業の時間となり、
担任教諭の右分けソフム型スキンは、花道を行くように堂々と教壇に向かって歩いていく。
途中、
「あれれ、
右分けソフムにたずねられた
「へー! まあ、でもしずり、今日の遠足サボりたいって言ってたしいいんじゃね!」
それを聞いていた、
茶化した学生の周囲いくつかの席でふっと
すると右分けソフムは
「本日のプログラムは、社会科見学なのだよ! 断じて遠足ではない。企業さんの業務を邪魔してこちらが一方的に学ばせてもらおうと言うのに、遊び半分で来られては困るのだよ!」
ソフム型という生き物は、120センチにも満たないその身体にメガホンでも
正論とばかでかい音量に、学生たちはすっかり圧倒されてしまう。
「そうかい。
右分けソフムは
学園の巨大なガラスが、教室のすみずみまでに日光を行きわたらせる。
誰かがカーテンで日光をさえぎる。一人がやると二人、三人とカーテンを締めだす。
あまり遮光性のないカーテンであるからか、光の波はぼんやりとするばかりで変わらずまばゆい。
日の白い光をあびてより
「改めて、ごきげんよう諸君。本日のカリキュラムは、一限で見学準備、二から四限で丘の上のスキンプラントへ社会科見学、そして帰還後の五限は資料作成となっている。先も言ったように、くれぐれも気を抜かぬようにね」
右分けソフムのあいさつが終わると、はじめの合図もなく、学生たちは前の週から準備をしてきた社会科見学のしおりを各班で見直す作業にうつる。
工場の順路、目的、そして講義のあとの質問タイムについてを改めて綿密にスケジューリングしていく。
ふと、
「
「うん! 今日の講義もお父さんがやってくれるんだよ。楽しみにしててね!」
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