主人公はいったいどこから「迷宮」に迷い込んでいたのか?額縁に生首を見てしまったときか?骨董屋に入ったときか?あるいは実家から出たときか?はたまた……どこまで行っても明確な因果は結ばれず、不穏さが漂い続ける。読後も主人公の迷い込んだ幻想迷宮に取り残されてしまている気がぬぐえない不思議な味わいの作品。