第2話

「削除」

みどりが冷凍食品の削除項目を

クリックした。

目盛りがゼロになり、(もうカートに

商品がありません)と表示される。

だいたい、どの会社のも同じだ。

みどりは削除という言葉に

つねづね違和感を覚えている。

削除という言葉の冷徹さ。

けずってのぞかれるほうの身にも

なってみろといいたい。

メールも次々に削除されていく。

人の心が削られているのだ。

心が泣いているぞ。

みどりが心の中でそう叫んだ。


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もう、幸せな物語は、人々の心から完全に削除されてしまったのか、、の、か?! @k0905f0905

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