第24話
その後、俺達は園内を散策した。
いろんな花があって、花音さんはやはり花に詳しかった。
で…結構広かった。
「つ…疲れました~」
「俺も…。これで真っ直ぐ帰るのは無理がありますね」
「やはり、私の案が採用されますね?」
「そうですね。一晩休んで、明日、ゆっくり帰りましょう。晩御飯どうしましょうかね?」
「せっかくですから、当初のケイの案でラーメン行きましょう。モーテルは、ここに向かって来る途中にありましたよね?」
「ありましたね。けど、俺…そういう所に入った事ないんですよ」
「私も…です」
「まあ、行けばなんとかなるでしょう」
「そうですよ。私たち大人なんですから」
入場ゲートの職員の方に、近場での美味しいラーメン屋を教えて貰った。
そして着いたのだが…
「すげぇ!ラーメン屋って名前の、ラーメン屋だ!」
「ホントですねぇ。何々軒とかじゃないんですね。ド・ストレートなネーミングですね」
二人で暖簾を潜ると、「ヘイ!らっしゃい!」と頭にタオルを巻いた店員さんが出迎えてくれた。混んでいたが、幸いに座ることは出来た。
「花音さんは何ラーメンが好きですか?」
「普段は味噌派なんですけどね~…これが、気になりますねぇ」
「あ~、園の人も言ってましたね。スタミナ・ラーメン。俺もこれにしようかな。一ノ瀬市には無いでしょうしね」
お決まりですか?と聞かれて、スタミナ・ラーメン二つとギョウザを二つ頼んだ。
「あの…私、ギョウザ全部は食べられないかもです」
「大丈夫ですよ。残したら俺が食べますから」
「ケイって、普段はお代わりしませんよね?
大丈夫ですか?」
「普段は食べ過ぎないようにしています。けど、こういう時は大丈夫ですよ」
「ヘイ!おまち!」
はや…!ラーメンはもう出てきた…。
「早いですね…。そしてこれは、餡掛けラーメン?」
「どうやらそのようですね?花音さん、火傷しないように気をつけて下さいね?
俺、広東麺で口の中を火傷したことあるんですよ。冷ましながら、ゆっくり食べて下さい」
「わかりました。野菜が沢山入ってるけど…これ、カボチャですよ?ラーメンにカボチャは初めてです」
「後、この肉はレバーですね。美味い!カボチャも以外と合いますよ」
「ホントだ…美味しい!」
その後、ギョウザが届いたが、大きめだった。
「花音さん、無理はしないで下さいね。俺が処理しますから」
「処理って…。五つありますけど、私…多分二つで限界です。よろしくお願いします」
車に乗って、ふぅっ…と二人でため息を着いた。
「美味かったけど、ボリュームがありましたね?」
「私もう…お腹パンパンです~」
「リクライニングにして、休んでて下さい。さて、モーテルに行きますか」
モーテルに着いて思った。
外装がお城みたいなんだよなぁ…。
エントランスを入ると各部屋が表示されているパネルがあった。
いろんな部屋があって、値段も違うシステムになっている。
「ケイ!この部屋、ジェット・バスがあります!ここがいいです」
「わかりました」
エントランスでは、何となく落ち着かず、少し焦りながら部屋へと続く階段を上がった。
「花音さん、大丈夫ですか?」
「大丈夫…お腹がキツいのと、足が少し痛いだけです~」
「もうちょっとですからね?」
部屋に入ると、結構豪華…。
で、ダブルベッドより広いのか?このサイズはクィーン・ベッドだったかな。
「ようやく、ゆっくりできますねぇ…」
花音さんはかなりお疲れのようだ。
「まず、楽な服に着替えましょうか?先に精算しちゃいますね」
ここは客室自動精算機がある。
泊まりなので、7000円を入金した。
なるほどね、こういうシステムなんだな…。
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