第18話 破局

自宅に戻り、スマホを見ると、美春から大量のメッセージを受信していた。また、着信履歴も大量に残っていた。メッセージを開くのは怖かったので、電話を掛けることにした。

 「もしもし?みは…」

 「なんで浮気した?あ?」

 美春の声色は今までに聞いたことのない低さだった。僕は恐怖で固まってしまった。

 「おい、黙ってんじゃねーぞ?何か言ってみろや!」

 「心当たり無いんだけど…何のことを言ってるの?」

 「お前大宮で見たぞ。制服着た女といたな。言い逃れできねーぞ。」

 「いや、あれはクラスメイトで、友達のプレゼント選びに付き合ってただけだよ。」

 「笑わせんなよ。そんな嘘信じられる訳ねーだろ。何で二人きりで行く必要があんだよ?」

 「いや、それは…」

 「ほら、何も言えなくなってんじゃねーか。良い加減認めて謝れや。」

 「いや、実際アイツとは何も無いから謝らないよ。」

 「何なんだお前。謝らないところ前からムカついてたんだよ。そう言うところ嫌い。」

 僕も段々疲れて弁明する気持ちも失せていた。

 「んだよ?じゃあどうしろってんだお前。さっきから違う言っとるだろ?」

 「な、何よその態度!」

 「何よじゃねーよ。お前人の話聞く気ないじゃん。そう言うところ前から嫌いだったわ。別れよ。」

 「な、何でそんなこと言うの?嫌よ!でも謝って。」

 「ふざけんなよ貴様。もう連絡してくんな!」

 無理矢理電話を切った。それから何度か着信が来たが全て無視し、着信拒否した。メッセージアプリにも支離滅裂な内容が列挙されていたが気にせずブロックした。

 

 翌朝、家を出ると美春が待ち構えていた。気にせず通り過ぎようとすると、後ろから腕を掴まれた。

 「何で無視するの?許してあげるから無視するのはやめて。」

 「はぁ?何勘違いしてんだ?離せ。気安く絡んで来んな。俺の視界から消えろ。」

 「酷い。最低。」

 背後から美春が呟いたが、無視して自転車を走らせた。

 学校に到着し、教室に入ると、既に小島さんが登校していた。

 「三井くんおはよう。昨日はありがとう。」

 「全然いいよ。それで、いつ渡すの?」

 「んー。部活終わりかなと思ってるけど、終わるタイミング一緒じゃないと渡せないよね?」

 「あぁ、多分七時には終わると思うよ。バレー部は?」

 「良かった。多分そのくらい。ねぇ、昨日に引き続き協力してくれない?」

 「良いけど、どうやって?」

 「それはね…」

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