第12話
私の勢いに押されたアルゴノートさまが首を縦に振りかけた次の瞬間、パーティー会場の扉が大きな音を立てて開かれた。
「———」
その場にいた全員が一瞬呆けた次の瞬間、アルゴノートさまとノエルを覗く全員が地にひれ伏す。
「ダディ!マミィ!」
(………私も人のこと言えないけれど、16歳にもなって公式の場で両親のことをダディ・マミィ呼びはよろしくないのでないかしら)
アルゴノート王子ことわんこ系王子のニックネームが馬鹿王子から阿保王子に成り下がったと思ったら、次の瞬間にはバブ王子と私の中で変換された。
「アルゴノート………、」
王妃さまの悲痛な声音に、私は嫌な予感がした。
「あなたはもうわたくしの息子ではなくなってしまったわ」
「え、ま、マミィ?」
「………………」
困惑した様子のアルゴノートさまを、国王さまは頭が痛いと言いたげな様子で見つめる。
「お前は超えてはならぬ一線を超え、踏見抜いてはならぬ地雷にジャンプで両足着地して落とし穴に落ちたのだ」
「ダディ?」
「お前は先程、元老院満場一致で王家から勘当された。そして、マルゴット公爵家から多額の慰謝料を請求されたのだ」
国王さまのお言葉に平伏したままの私は遠い目をしてしまった。
(パパぁぁぁーっ、なんてことをっ!!)
私を溺愛しているパパが、大事な私を傷つけられて何もしないとは思っていなかった。けれど、こんなにも非常識なことをやらかすとは思ってもみなかった。
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