第42話 腐った奴ら

 領主の館へ行くと住人がいた。

 そこからかよ。


 俺と、トルスティは頭を抱える。


「おまえら、パリブス王国の者か? 何をしに来た?」

 俺は書状を見せる。


「書いてある通り。オリエンテム王国により、この領は割譲されてパリブス王国の物となった。残って領民となるのと、追放。どっちでも良いぞ。選べ」


 そう言うと、門番達は、慌てふためき。奥へと向かう。

 兵達数人を馬車の警備に残し、他の人間はフル武装で突っ込んでいく。


 オリエンテム王国がなにもせず、パリブス王国へ渡すとは思えない。

 ここに居る奴らは、意図的に居座っているのだろう。


 玄関から、建物に入るかと思うと、脇へと向かう兵達。


「なんだ?」

「さあ。まあ行きましょ」

 そう言いながら、トルスティは腰から銃を抜く。


 あわてて俺も準備をする。


 見ると別棟があり、そこにいた門番達と共に中へ入ってしまう。


 いやな予感しかしない。


 建物へ入った瞬間から、匂う匂い。


 奥からは悲鳴が上がっていたが、兵が何かを言うと、その声が止まる。

 ただまあ、すすり泣きは聞こえ、また誰かが怒鳴りつけ、パンという感じの殴ったような音が聞こえる。


「行くぞ」

 そう言ったら、トルスティに命令される。

「とりあえず、膝で。殺さないでください。話を聞きます」

「分かった」


 後ろの兵達も聞こえたようだ。


 曲がり角から飛び出し、兵や、立派な服を着た奴の足を撃ち抜いていく。


 ここが単なる牢屋で、文句を言われたら不法占拠ということで押し通そう。

 そんな下種な考えが浮かぶ。


 そうでもしないと、この世界。すぐに切られるし、刺されるし。

 ろくなものじゃない。


「何者だぁ」

「いま、兵から説明を受けただろ?」

 そう言いながら、足を撃つ。


 叫び声を上げながら、皆が倒れていく。


 幾人かの立派な服を着た奴らが、変態趣味全開で楽しんでいたようだ。

 服を着ていない奴も、太ももを撃ち抜く。

 手が滑って、真ん中を撃ちたくもなったが。

 動きを止めるには、足。


 なぶられていた人たちの治療を、兵に任せる。


 囚われていた人たちに、話を聞くと、我が国からだけではなく、近隣の領からも攫っていたようだ。


 笑えることに、専用の盗賊団を、領主が組織していたとの事。

 そして領主は、大分前だが、砦との攻防戦へ出かけて死んだようだ。


 そして、絶好調に調子に乗っていたのがこいつ。

 元家宰ラヴレンチー=ブラゲヒン。


 領主が死んだと報告を受け、真っ先に婦人と娘。息子。

 一家を拘束。

 

 かなり残虐な感じで、

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