第65話 世界の姿
僕は新たな
青一色だった視界は次第に白く、そして黒へと移りゆく。ここは〝世界〟と〝大いなる闇〟との境界。さしずめ〝
僕は
広大な闇には無数の小さな星々が浮かび、それぞれが力強い光を放っている。おそらくは、あの一つ一つが〝神々によって創られた世界〟なのだろう。
それらの光を
あれが〝世界の終わり〟の姿か。暗黒の空間を改めて注意深く観察してみると、あちらこちらで同じ現象が発生し、世界が〝終了〟され続けている。
「あの中には……。たくさんの人や街や、歴史なんかが
僕は大きく
二つの世界に相違点があるとすれば、ミストリアスの人類は地上で暮らしていることに対し、地球の人間たちは植物という
また、直接〝大いなる闇〟に浮かぶミストリアスとは異なり、地球を中心とした〝あの世界〟には、〝宇宙〟という独自の空間が存在していることも挙げられる。
真世界・テラスアンティクタス。それが〝偉大なる古き神々〟こと
対して、
あくまでも推察するしかないが、これらの植民世界は〝財団〟にとって有用となる、何らかの目的を実現するために生み出されたものなのだろう。たとえば資源の
だが、世界を生み出せるほどの絶対的な存在でも成し得ないほどの、〝なにか〟がミストリアスに
「ウッ……。これ以上はマズイな」
僕は
*
青空の
「ふぅ、少しは回復したぜ。
大気中の
現在も真下には、砂煙に覆われたランベルトスの様子が広がっている。僕は空中で体勢を整え、遠くに見える海とは反対側の、東へ向けての飛行をはじめた。
前回の〝勇者〟の世界では〝
ガルマニアにも寄ってみたい気持ちはあるが――。現在の僕には、観光を楽しんでいる時間は無い。それに、この〝アルフレド〟の
さきほど上空まで飛び出してしまったのも、熱くなりすぎた頭を冷やすという名目もあったのだ。しかし、さすがに世界の〝外〟まで出て行けるとは思わなかった。
*
「おっ、景色が変わったな。……ここがネーデルタールか?」
思考を
視界の
僕は
ネーデルタールの街で情報を得るという手段もあるのだが、どうにも僕の〝勘〟が「今は立ち寄るべきでない」と告げていた――。
僕は
ガルマニアとの国境に近い森の方へと視線を移せば、シカやクマなどの動物たちが〝なにか〟から逃れるように、
少なくともシカにとってはクマよりも恐ろしく、クマにとっては自身よりも強大な何者かが〝
そして、その直後――。動物ではない
「助けるしか、ねェよなァ――!」
僕の思考よりも早く、
「なんだッ!? コイツラは……!」
森に
それは全身に金属を纏ったかのような、人型をした〝なにか〟の集団だった。
全体的な
彼らは〝機械〟なのだろうか。あれが仮に
一つ思い当たることがあるとすれば、北の
ディクサイスとは前回の〝勇者〟の世界において、共に戦った仲間ではあるのだが。これらの魔導兵の行動からは、明確な攻撃性と敵意を感じる。それに平行世界が変われば世界情勢も容易に変化することは、これまでの
「チッ……。いまは、とにかく助けにいかねェと」
この森に踏み込んだ目的は、あくまでも〝悲鳴の
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