エノメ・ドール

ゆっくりと、目が開く。


ここはどこだ?見慣れない天井。とにかく起きよう。

ズキン!体中に筋肉痛のような痛みが広がる。

ここは多分、町だ、外が暗い、首を動かして、辺りを見渡す。


ここは、宿屋、多分馬車の運転者がここまで、連れてきたのだと思う。

ほかには横にベットがもう一つある、そこには白いローブの男が同じように休んでいる。

今日はつかれたし、俺も、疲れて動けない、寝るとする。




日がまぶしい。

もう、朝か、よっと。


からだが少し痛いが動く。

ん?、何かベットの前にいる?

体を起こす。


!!


なんと。目の前にいたのは、白いローブの男。

こちらに、ひざまついている。


「お目覚め、ですか?ご主人様」


「ご主人様?いきなりどうしたんだよ」


すると、白いローブを外す。


!!


そこには、赤い髪の毛、黄色の目の....


頭には耳、後ろに尻尾が生えている。

女????動物???


「私は、エノメ・ドールと申します」


......確かにこいつの第一人称が、私、なのは気になっていた。

フードも少しもっこり、していたような...


「私は、獣人、人間からは、亜人と呼ばれる、種族です」


亜、亜人異世界でよくある、奴だ。


「人間の世界だと、亜人は、差別される、種族で、私は、亜人だというのを隠して来ました」


そういうことか、だからフードをかぶっていたのか。


「ここからが本題です。私の家系は、冒険者をやっている、家系で、昔からある決まりがあるのです」 


「何ですか?」


嫌な予感がする。


「初めて負けた、相手に絶対服従しなければいけない決まりがあるのです」


「.........」


「なので、これから、私を連れて行ってください」


「い、や、だ!」


「なぜですか?私、家事やご主人様を守る事ぐらい出来ますよ!」


「無理に、決まってんだろ!、お前さっきまで、自分を殺そうとしてた奴が、


 負けたので、連れて行ってくださいって、怖いわ!」


エノメの目がうるつく。そして、床に寝転がり。

駄々をこね始める。


「なんで、なんで、私絶対に役に立つよ、連れて行ってくれなきゃ、私ご先祖様に顔向けできないよー」


 連れて行くって、言うまでもここ動かないもん」


おもちゃコーナーで、おもちゃが、欲しくて、駄々こねる、子供かよ。


「無理なものは、無理なんだよ」


「なんで、なんで、私、ご奉仕だってするわよ」


「なっ...」


前世、童貞で死んだ、俺は少し揺らいでしまった。


「無理ったら、無理だって」



すると、大声で。


「いやだ、いやだ、いやーだ」


「おい、ここは宿屋だぞ、静かにしろ」


言っても、聞かないので、エノメの口を手で塞ぐ」


「ふにゃーだ、ふにゃーだ」


「静かにしろって」


ガチャ!ドアが開く


「お客さん、あまり騒がない...で」


まずい...

この状況だと、小柄の女の子の口を塞いで、押し倒している、5歳。


「お若いの、ヤルなら、もう少し、静かに、やってくれ」


「なにが!」


ドアを閉じて、行ってくれた。

あの人が変わった人でよかった...変わりすぎだろ。どうなってんだ、この世界は。

もう、仕方ない。これ以上騒がれても困る


「わかった、連れて行くよ」


「本当に?」


「ああ、約束は守る男だ」


「私のかわいさに釣られたか、えっへん!」


「ちげーよ!」


こいつ、マジで殴ろうかな。


「とりあえず、これからよろしく、まだ名前を教えていなかったね、俺の名前はミタマ・ランスだ」


「これからよろしくお願いします、ミタマ様」


「じゃあ、これからいくところがあるんだけど、いいかな?」


「いつまでも、ついていきます、ミタマ様」


そういって宿を出る。

向かう先は、もちろん、ギルドだ。

ギルドのドアを開ける。


冒険者の、視線がこちらに集まる。

俺と言うより、エノメの事を見ているらしい。


小さい声で聞こえてくる。

あの子誰だ?とか、かわいい子連れてるやん、とか、

時々、誰だよきたねぇ亜人連れて来たのは?と聞こえてくる。

亜人ってだけでそんなに言われるのか...。


そういえば、こいつ、ずっとフード被ってたんだよな、みんなこいつに気づいて無いのか、そりゃこうなるわ、誰もフードの中がこんな、女の子だとは、思わない。


「おめぇら、何見てんだ、ガンとばしてんのか?」



......


おめえなにしてくれてんだよ、目立ちすぎだ!バカ、


そうだった、こいつ、初対面はこんな感じだった。


「すみません、彼女、人見知り何ですよ、あははは」


冒険者達に見られながら、急いでギルドの奥に入っていく。


「ミタマ君!」


この、優しそうな声は


「お姉さん、お久しぶりです」


「久しぶり、ミタマ君、大きくなったね、でもまだまだ、かわいい」


「ありがとうございます」


「それで、そこの彼女は?まさかミタマ君の彼女?年上好きだったか」


エノメが、満更でもない顔をする。


「いえ、全然、彼女は友達ですよ」


「違うよ、私はミタマ様の...」


エノメの口を閉じる。


「今日は、父の手紙どうり、コンジットで、ステータスを確認しに、来ました」 


「持ってきたわよ」


姉さんがコンジットを手に持っている。

なんて、気の利く、人なんだろう。


「あ、そうだ、あと、この子とパーティーを組みたいんですが、どうすればいいですか?」


「コンジットを使って、パーティーを組むのよ、パーティーを組むと味方の体力や、レベルが見れるようになるわ」


ゲームみたいな感じか。


「そうだ、ミタマ君、君もう、5歳だよね?」


「はい」


「じゃあ、待っていてね」


ギルドから何か持ってくる。


「はい、これ」


そこにあったのは!!

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