第7章 ~新たな希望と絶望の足音~

第200話 吉凶禍福の予言

ドタドタドタ!!バタン!!


うだるような熱帯夜に激しい音を立て、とある部屋の一室に一人の女官が駆け込んできた!


「・・・なんだ騒々しい。もう夜中だぞ?よほどのことなんだろうな?妾の睡眠を妨げるほどのことでなければ、そなたの命無いものと思え・・・」


そう女が呟くと同時にジメジメと暑かった部屋全体が凍り付き、女官は蛇に睨まれた蛙の如く己の命の終わりを悟り、座り込み自然と涙を流し、漏らすのであった。


「ふん。興が削がれるわ。して何だ。」


女の圧が消えた瞬間。女官は先ほどまでの言いようのない恐怖から解放され立ち上がり、そして女の部屋に訪れた目的を話し始めた。


「も、申し訳ございません!オババ様が予言を!予言をされました!!」


「ふん。あの耄碌ババァが予言をね。やっと仕事したのかい。それで?」


「は、はいっ!吉凶禍福がこの国に訪れるであろうと!」


「吉凶禍福だ?どういうことだ?」


「はっ!ここから遠く北方の地で我ら種族の悲願が果たされるであろうと!」


「妾達種族の悲願が果たされるだとっ!本当なのか?嘘であれば、そなたの命ないと思え!!」


「!?は、はいっ!オババ様は悲願が果たされると申しました・・・ただ、、、」


「ただ、なんじゃ?言うてみぃ。」


「い、いえ、な、な、何でもありませんっ!!」


「えぇい!隠すな!隠し立てするなら今この一瞬をもって、そなたの命狩りつくすぞ!!」


「ヒッ!は、は、はいっ!言います!言います!せ、せん、選択を誤れば女王様はその天から堕ち地に沈むと言っ・・・あhrぇ!?」


ゴロリ。

女王の足元に女官の頭が転がった。

女官は何が起きたかわからずに今も尚、女王に説明しようと口をパクパクさせている。

身体は身振り手振りしている。


そして次の瞬間、女王はその足でまるで果物でも踏みつぶすかのようにを踏みつぶした。

それと同時に身振り手振りしていた女官の身体もその活動を停止した。


「フン。ナメ腐りおって!あの耄碌ババアが!オイ!耄碌ババアの所に行く用意せよ!!」



「「女王様。もうすでにご用意は済んでおります。さぁ・・・」」

どこからともなく2人の妖艶な女が現れる。


「・・・流石だな、ライティ、レフリア。耄碌ババァの所に行くぞ!」


「「御意」」


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「・・・来ると解っていたよ。あの娘には悪いことをしたよ。向こうで謝るとしようかねぇ。儂の長い人生も終わりの様だね。お前たちには何を言っても無駄だろう。北だ。だ。行くがいい。そして、するがいい。」


「・・・言いたいことはそれだけか?」


「あぁ。それだけだ。」


「そうか。ならいい。」



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そして、3人の圧倒的な力をもった女たちは


置き土産として、その島国で一番高名な189歳の占い師の惨殺体を残して・・・


「向かうはここから北!中央国家ダッカーノ王国だ!!」

「「御意。女王の御心のままに!!」」


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