第192話 憤怒之王

砂煙が晴れた頃、あらわになったのは、もはや肉塊と呼んでも差し支えなさそうなほどボロボロにされ虫の息になっているブルーノであった。


「・・・ざ・・・・・・な・・・」


「あぁ?なんかイった?」


「・・・ざ・・・る・・・ナ」


「アァ?」


「・・・ザケるな!フザケルナ!!調子に乗るな小娘がぁぁぁぁ!!!!!!!!!」


「ゲェ!!あんな状態でまだ怒る元気あんの!?キモイんですケドぉ~!!!」


「クソガァァァァ!!!!!赦さん!!死をもってしても赦さん!!恐怖と絶望にまみれて死ぬがいい!!憤怒之王レイジャー!!!」


ブルーノが憤怒之王レイジャーというスキルを発動した途端に瀕死の肉塊の様にボロボロであった肉体が激しく膨らみ爆ぜた!!

そして、爆ぜた肉体から羽化するように新たな肉体が出てきたのだが、スケールが問題であった。


最初は同様の人間サイズと思われていたが、激しい音を立て肉体が作り替えられているのか、ドンドンサイズアップしていき、ついには30メートルはあるんじゃなかろうかとい大きさの人型の化け物になった。


「グォォォォォォ!!!!赦さん!この姿になったからには楽に死ねると思うなよ!!絶望に抱かれ後悔しながら死ぬがいい!!」


凶悪な邪気を前面に押し出した結果、その邪気にやられて砂海の中に潜っていたモンスターたちが砂海から浮かんできては断末魔をあげ死んでいく。

それと同時に砂海のヌシたるスベテヲクラウモノも戦線復帰してくる始末だ。


かたやナニアはさきほどの鬼化オーガからのブチアゲ⤴トランスの影響で立っているのもままならない状況だ。


「ありぃ?コレって激ヤバな状況じゃね?あーし詰んだ??でも泣き言は言ってらんねぇ!あーしはレイっちのトコに必ず帰るんだ!!こんな奴らブッ潰す!!はぁぁぁぁ鬼化オーガ!!」

なけなしの気と魔力を使って再度、鬼化オーガと化したナニアであったが、為す術もなく憤怒之王と化したブルーノにやられるのであった。


「たわいもないっ!!木っ端風情が!!ん?・・・ぐふぅ!!」

シュルシュルシュル!!っという音とともにナニアに意識が向いている隙をついてスベテヲクラウモノから射出された小型ワームが殺到した!!


「くそがぁ!!古代からの遺物如きが調子に乗りやがって!!殺す!!インフェルノジェノサイド!!」

小型ワームを虐殺する邪界の炎が燃え盛る!!

スベテヲクラウモノは咄嗟に自身の肉体から小型ワームを切り離し砂海に潜った。

「ちぃ!逃げやがった!だが!殺す!!アトミックアッシュ!!」

超質量の魔力をスベテヲクラウモノが潜った砂海に放つ!!

その威力は凄まじく砂海にクレーターを創り出した!!

もれなく、スベテヲクラウモノも大ダメージを負いその肉体を削がれながら再度地上に姿を現した。


「まだ死なないのか!赦せん!!死ぬがい・・・」

そうトドメを刺そうとしたところ、スベテヲクラウモノの口が大きく開かれそこから強力な魔法が発せられた!!

(これはマズイ!今の状態でも喰らえばそれなりにダメージを負ってしまう!!)

そう思い逃げ出そうとしたブルーノだが、身体が急激に重くなり逃げれなくなった!!

「な・なにをした!キサマか!!」

『グラビティ』『破滅光線デストロイイレイザー

ズドドドドン!!!!!


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~ロコロッコの住民たち~


「なっ!なんだぁあれ!!化け物が闘ってる!!」

「なんつー振動だ!!」

「この世の終わりだぁ!!」

「わぁ~怪獣大戦争だ!!」

「何言ってるのこの子は!早く逃げるんだよ!!」

「バカ言え!!あんなのからドコに逃げるって言うんだ!!」

「キャー!!」「ギャー!!」「黒神様助けてぇ!!」


そんな時、ロコロッコの住民たちは空に浮かぶ人間をみたのだった。

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