第188話 憤怒のブルーノVSスベテヲクラウモノ

ブルーノがナニアを蹴り飛ばし、スネイルごとスベテヲクラウモノに喰わせた。


しばらくすると、スベテヲクラウモノが砂海にのたうち回った。


『ゴヴァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!』


「フン。やっと鬼化オーガが始まったか。千鬼丸はその身に宿す潜在能力が高ければ高いほど苦しみを与えながら引きずり出し、最後には自我を無くし邪神樹アンノウン様の操り人形と化す代物だ!さぁ!忌々しきスベテヲクラウモノよ!我らがしもべとなり世界を滅ぼすのだ!!」


『ゴヴァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!』

しかし、スベテヲクラウモノは咆哮を上げながら、自身の身体を長大な鞭の様に扱いブルーノを攻撃し始めた!!


「なっ!!まだ抗うというのか!!千鬼丸をもってしても規格外の巨体とその強さだと効きが悪いのか!?」


スベテヲクラウモノはその巨体から何十何百もの小型のワームを射出させブルーノが反応出来ないほどの速さで捕捉し身体を拘束すると同時に、そのワームをしならせ乱打した!


「なっ!!ゴバブブブブッ!!!!!!」

小型のワームの乱打は収まることを知らず、ブルーノの立っている地面を空間ごと削り取っていく!!


「ブ!ヴ・・・ヴァザ・・・・・・フザケルナァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!」


並大抵の者であれば一瞬で肉団子と化す乱打を受けながらブルーノは激怒した!!


すると激怒に応じるようにブルーノの身体からオーラが拡散され、オーラに触れたワームは木っ端微塵に弾け飛んでいった!!


「私の!私の顔を!!身体を!!!傷つけおって!!許さん!赦さん!!お前はここで叩き斬る!!!クマラハーン激怒の大剣!!!」


そう叫ぶと先ほどナニアを不意打ちした大剣がブルーノの手元に戻り、そして異様なまでに肥大化した!


それは大型のモンスターの首ですら一撃で落としきることが出来るような斬首の大剣であった。


「コロス。ころす!殺す!!」

そう叫びながら大剣を振るうブルーノ。

ブルーノがクマラハーンを振るう度に、数えきれないほどのワームの首が飛ぶ飛ぶ飛ぶ!!


そして、一瞬の隙をついてブルーノはスベテヲクラウモノに超接近し、憤怒のオーラを纏わせたクマラハーンを袈裟斬りに振るった!!

憤怒断斬ウラース


それは一瞬であった。

ブルーノの大剣が全ての音を置き去りにした。

スベテヲクラウモノも砂海の波も風も何もかもを置き去りにした。

そして、全ての時が思い出したかのように音を発したその瞬間、スベテヲクラウモノの幅500メートルにも及ぶであろう身体を完全に真っ二つに斬り裂き、それだけに留まらず、後ろに広がる砂海に幅数百メートル、長さ数キロメートルに渡り斬り裂いた!?


「フン!手間をかけさせやがって!邪神樹アンノウン様には謝罪しなければならないが、まぁいい。スベテヲクラウモノがやるはずだったことを私がや・・・」


ドスン!!

ブルーノが吹き飛ばされた。

グチャ!!

そして、吹き飛ばされた先でブルーノは叩き潰された!!


それをやってのけたのは、今しがたブルーノが真っ二つにしたはずのスベテヲクラウモノであった!!


スベテヲクラウモノはブルーノに叩き斬られた瞬間に斬られた断面から数えきれないほどの小型ワームを産み出し強制的にその身体を縫合し、すぐさま反撃に出たのであった!!


「グフゥ!!クソが!ミミズ如きが何度も私に泥を塗りやがって!!もう知らん!どの道、この南の国をお前に滅ぼさせるつもりだったんだ。今日この場でお前ごと地図からこの国が消え去ろうが些事だ!!私をここまで怒らせたことを後悔しながら消えるがいい!!!」


完全にブチギレたブルーノがその邪悪な力を解放しようとした、その時であった!!


『ゴヴァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!・・・・・・・・・』

スベテヲクラウモノが急にのたうち回り、最後は沈黙し巨大な塔のように直立したのであった。


訝しむブルーノを他所にスベテヲクラウモノから異質な音が発せられ始めた。


ズズゥン!ドズゥウン!!という鈍い音がスベテヲクラウモノから発せられ、直後にミチミチミチィと音を立てスベテヲクラウモノの一部が弾け飛んだ!!


そして、そこから何かが飛び出してきた!!


「な!なんだというんだ!!」


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