第186話 対峙!!
サンサンプトンを出たナニアは激走した。
それは、まるで何かに取り憑かれているかのような一心不乱な疾駆であった。
聖者と聖女ルノアが施してくれた結界とバフのお陰なのか、ナニアはモンスターに襲われることはなく疾走した。
否、モンスターに襲われることがなかったのではなく、モンスターに襲わせる暇を与えなかったというのが正しい。
それを立証するかのようにナニアが走り抜けた痕にはモンスターたちの死骸が死屍累々と積み上げられていた。
ナニアは休憩を取ることもなく走り抜けた。
ロコロッコから1週間かけてサンサンプトンに来たナニアであったが、尋常ではない走りを続け3日でロコロッコへ辿り着き、休むことなく砂海へ至った。
「ハァハァハァ。マヂ疲れた。だけど追いついた!!オイ!そこのクソ野郎!!オメェがスネイルだろ!!」
グルンと首だけ勢いよく回し男はナニアを確認し言葉を発した。
「邪魔をするな!すべてはアンノー様の仰せの通りに」
「キメェ!首の骨折れてんじゃネ?もうオマエも化け物になっちまってんのか?」
「邪魔をするな!すべてはアンノー様の仰せの通りに」
「話も通じないってか!こりゃダメだな!ブッ飛ばすっかねぇ~!!」
そして、ナニアがスネイルを止めにかかろうとした時、ナニアの目の前に邪悪な剣が降りおろされた!!
「!? アッブネェ!!テメェだれだ!!」
「許せん!アレをよけるとは!!だから女神の使徒は嫌いなんだ!!」
そこには全身から憤怒のオーラを滾らせた『邪七樹』が1人。『憤怒のブルーノ』が立っていた!!
「テメェ!あの時のヤツ!!」
「五月蠅い!!なぜ木っ端のキサマがココにいるっ!なぜ生きている!!不浄なるものめ、あそこまでやってしくじりおったか!!許せん!!殺しても殺しても足りないくらい許せん!!」
憤怒のブルーノの周りの景色が憤怒のオーラによって歪められていく!?
「ウルセェのはテメェだよ!そこのクソ野郎もろともブッ飛ばしてやる!!」
「女神の使徒の木っ端風情が!口の利き方に気をつけろ!!もういい!!殺す殺すコロス!!」
いよいよ一触即発という雰囲気の中、突如大きな地震が起きた!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!!!!
ザバァ!!っと砂の波を押し上げ砂海からスベテヲクラウモノが現れた!!
どうやら、憤怒のブルーノとナニアの気にあてられて出てきたようだ。
スベテヲクラウモノもすで臨戦態勢である。
「これは好都合だ!私がこの生意気な女神の使徒を殺している間にお前はスベテヲクラウモノに千鬼丸ごと喰われて来い!!」
「・・・アンノー様の仰せの通り」
『グゴォォッォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!』
「やらせるかよっ!あーしは今最凶にイラついてんだ!!」
そうして、南の国での最後の闘いの火蓋は斬って落とされた!!
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