第185話 スクランブル!!
「ってことは、その千鬼丸ってのをスベテヲクラウモノにスネイルごと喰わせようって魂胆だってことだな?」
「は、はい。その様にアンノーが言っておりました。」
「・・・マズイな。」
「聖女た・・・聖者たん。スベテヲクラウモノって、あのスベテヲクラウモノのことか?」
「あぁジジィ。多分アレのことだ。名前から想像するに千鬼丸ってのは百騎丸より激ヤバなもんに違いねぇ。それをアレに喰わせたら南の国は滅びちまうんじゃないか?それどころか世界が滅びるんじゃないか?」
「なっ!南の国が!世界が滅びるというのですか!?そんな悪事にウチのスネイルは使われているのですかっ!!なっなんとかしてやってはくれませんか!あんなんでも私の可愛い弟子なんです。」
「なんとかしてやりてぇが今の俺らでは役不足だ。忘却の王墓での一件で体がボロボロで追いつける気がしねぇ・・・」
「儂のエクソシストも先の一件で傷つき万全ではない。無論国王の方の戦力も同様に・・・万事休すですか・・・」
その時バタンっとドアが強引に開け放たれた!!
そこに立っていたのは遅れてきたレイたちだった。
「話は聞いたよ!ぶっちゃけよっくわかんねぇ~ケド、そのスネイルってクソ野郎を砂海まで追いかけてって、あのバケモノに喰われちまう前に、あーしがボコって止めればいいってことでしょ?」
「ナニアだけじゃない。俺も行くよ。」
『ミミモ!!』
「ははっ!ありがてぇとこだがお前らもボロボロだろ?」
「あーしは何もしてねぇから大丈夫!でも!レイっちもミミっちも今回は休んでて!!傷や呪いなんかはルノアっちが治してくれたけど、聖者っちも含めて皆あの闘いでボロボロになって体力が戻ってないから。あーしはなんもしてねぇから元気マンマンなのよ!」
「何言ってんだ!ナニアだってボロボロだろ!お前が行くなら俺は絶対に行くぞ!!」
「レイっち!アリガト♡デモネ、あーし大丈夫だから!それに、あーし1人の方がそのクソ野郎に早く追いつける!!だから、あーし1人に行かせて!!」
「ナニア・・・お前何をそんな・・・」
「待てレイ!だが、ナニアの言ってることの筋は通ってる。ナニア済まないが行けるか?」
「レイっち大丈夫だって!モチのロンよ聖者っち!」
「だが、しかし!!ナニアが行くなら俺も!!」
「レイっち・・・大丈夫だから。それにこれは、あーしが行かなきゃイケない気がするんだ・・・だから行くよ!レイっちはボロボロなんだから待ってて!レイっちが待っててくれてるって思ったら、あーし頑張れっからさ♪」
「ナニア・・・」
「ででででであれば!!わわわわ私が出来る限りの補助魔法をナニアさんにかけますから!!それで少しは安心ではないですか!!」
「ニヘヘヘ!ルノアっち最ッ高ぢゃん!!ヨロピクよ!!」
「はいっ!!」
そして、ナニアは半ば強引に1人でスネイルを追いかけることを決め、ルノアから各種バフを聖者から魔除けの結界をかけてもらい、
「・・・ナニアどうか無事で帰ってきてくれ・・・」
残された俺は病室で横になりながら、ただナニアの無事を祈ることしかできなかった。
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