第178話 生贄召喚

「これは!『生贄召喚サモンサクリファイス』!!」

「ダンテさん!それはなんですか!!」

「これは、古来の禁術。生贄を使いモンスターを召喚する魔法!古来、この魔法で滅びた都市は1つや2つではきかない。一度始まってしまえば魔法陣を破壊するか、術者の魔力が尽きるまで永遠にモンスターが召喚される!!」

「なんですって!これはマズい!ザルドルさん今すぐ逃げて!そして、ライオネル会頭をはじめ商会で働く人や近隣住民を避難させてください!」


「わ、わかった!あんた達は大丈夫なのか!?」


「大丈夫かどうかは正直わかりませんね。」

「・・・神のみぞ知る。」

「「だが、我々は国民を守らねばならない!たとえ命に代えても!!」」

「さぁ早く!!」

「ぬおぉぉぉぉ『聖棍百烈撃』!!!」


「す、すまない!!」


ザルドルは階段を駆け降り、セクレタを捕まえ言った。

「今すぐ全従業員を連れて避難してください!モンスターです!スネイルがモンスターを!!近隣の方も連れて避難してください!!」

「え!え?ど、ど、どういう!!」


ドガン!と音が鳴り2階の壁を突き破りモンスターが溢れだす!!

「キャー!!モンスターが!!み、みんな!逃げて!モンスターがぁぁぁぁ!!!!!」

セクレタは叫びながら避難を始めた。


「っと、ライオネル会頭はどこだ?やはり2階か?」

そう呟き、ザルドルは覚悟を決め2階へ駆け上がるのであった。


2階へ上がると、そこにはすでに20体はいるんではなかろうかというくらいモンスターが溢れていた。

ジョルジョとダンテが湧き出るモンスターを端から倒していくが召喚されるモンスターの数の方が多いようである。


そんな様子を見ていたザルドルの方にもモンスターが押し寄せてきた!

ザルドルは懐から自身の商会のアイテムであるを取り出しモンスターの群れに投げた。

モンスターは事も無げに、その球を

すると一瞬のうちにモンスターの周囲が


「ははっ!持ってきて良かったぜ!ロコロッコ商会謹製の『凍結球』!!本来は火事が起きた時に使うもんだが、大規模な火事でも瞬時に凍結して消化しちまう代物だ!テメェ等ごとき木っ端のモンスターなんざこれで十分よ!」


凍結により動きが制限されたモンスターたちの脇をすり抜けザルドルはライオネルの私室に飛び込むのであった。

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