第169話 冒険

あぁ俺たちはもうダメかもしれない。

血反吐を吐き地に這う俺は、そう思った。


だが、そんな俺の前に禍々しい臭気を放つ異物が落ちていることに気が付いた!?


そして、同時に俺はカーラちゃんのと話をしたこと思い出した!


運命神カーラ『危険を冒せ。レイは冒険者だろう?冒険しないヤツには未来はない。』


即座に俺は、と悟り行動に移った!


ズリズリ這いより、ソレに手を触れようとした時全てを理解した。


禍々しい臭気を放つ異物は、『不浄なるもの』だった!?


レイの目の前にあるものが、死霊女王たる自身でも触れることを拒むほど呪われたモノであることに気がついた。

そして、レイが何かをしようとしていることに気が付き、それを阻止しようと『カーニバル死乃乱舞』の出力を強めた!


もう迷っている暇はなかった。


俺は右手を伸ばし『不浄なるもの』の塊を掴んだ!


すると掴んだ右手が『不浄なるもの』の体液に焼かれ即座に激痛を伴いながらただれていった。

「ぐあぁぁ!だが、だが、俺にはコレしかないんだっ!!」

そう言って俺は力を振り絞り『不浄なるもの』の塊を全て喰らった!?


死霊女王はレイに向かって『血迷ったか!』と嘲笑う。


それを肯定するかのように、口に入れた途端、体液で口の中、ノド、胃がただれ、それが身体のなかで爆発をしたため、身体のいたるところが裂け血を噴出した!

そして、強力な呪いによって呻き苦しみながら俺の気は遠のいていった。


『馬鹿が何をするのかと思ったら死におった。』


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『力が欲しいか?』

「欲しい。皆を護れるだけの力が欲しい!愛する人を護る力が欲しい!」

『死ぬかもしれないんだぞ?それでも力が欲しいのか?』

「あぁ。どうせ何もしなくても死は目の前だ。そんな死を待つくらいなら俺は愛する人たちを護って死ぬ!!」


『フハハハハ!面白い!自殺行為をやってのけ、・・・イイダロウ!褒美だ。今回だけ力を貸してやる。まぁお前の身体がもてばだがな・・・使うがいい。』


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身体を内側から焼かれ血を吐きながらヨロヨロと立ち上がるレイ。


それに動揺する死霊女王。

『なぜた!なぜその状態でお前は生きている!?』


「皆と生きるため!平和な世を築くため!愛する者を護るためだ!!覚悟しろ!」

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