第157話 亀の甲羅は特別性!?
ナニアの『紅蜻蛉』で大爆発が起こり、すすだらけになりながらも致命的なダメージは負わなかった俺たちと、今の爆発でダメージをかなり負ったようで身体の様な塊が3分の2ほどになっている『不浄なるもの』。
どうやらナニアの選択は全くの間違いではないようだが、今、ここまで俺たちが『不浄なるものに』ダメージを与えることが出来たのは、マリサさんの『祈り』があったからだ。
しかし、先ほどの大爆発でマリサさんはありったけの魔力で『祈り』を展開したため、このままいけば確実に全滅するのは俺たちの方だ。
どうしたら、俺たちに勝機がある?
俺がそんなことを考えている間にも『不浄なるもの』はズリズリと身体のような塊を這わせ、マグマの様にボコボコと爆ぜる表皮から体液を飛ばしながら俺たちを殺しにかかっている。
俺たちは逃げる一方だ。
しかし、逃げ場を失ったらしい。
隠し部屋の壁に背中がついてしまった。
いよいよ、やばい。
『不浄なるもの』の顔とおぼしき部分がニヤリと口角を上げたような気がした。
『不浄なるもの』がその身を物凄い勢いで縮めたかと思った矢先に急激に膨張し爆発した!!
爆風と体液による多段攻撃だ!!
マリサさんは今、疲弊していて『祈り』が使えない!
ミミの強酸もあの体液の前では為す術がない!
これは詰んだかもしれない!!
そう思いながらも被害を最小限にすべく俺とナニアは風魔法を行使した。
風魔法によって爆風はある程度相殺できたが、ジュウジュウと音を鳴らしながら絶望の体液が俺たちに迫ってきた!!
ある程度のダメージを覚悟したそんな時俺たちは「ひぃぃぃぃ~!!」という叫び声が聞こえたと思った瞬間、物凄く太くて包容力のある腕に包まれた!?
ゴゴォン!ジュウジュー!!と凄まじい音を何度も立てて俺たちの上に覆いかぶさった何かのところに殺到する。
そこにいたのは野太い声で叫ぶルノアさんだった!!
「キャァァァァ!!!!!!!!」
「「「ルノアさん!!(っち)」」」
体液の起こした爆発とジュウジュウと焼く音が収まったのを確認して見上げるとそこには、俺たちを抱え込むように1人庇っていたルノアが立っていた!
「ルノアさん大丈夫か!!」
「だ、だ、だ、大丈夫じゃない・・・わ、わ、わたし体中が痛くて痛く・・・て?あ、あれ!?でも全然痛くない?」
そう言うとそこには傷一つないルノアさんがいた。
よく見るとルノアさんの背中が光ってる?
よくよく見ると背中ではなく、背中にしょっている甲羅が光り輝いていた!?
「大丈夫なのルノアっち?」
「へ?え?あ、はい。大丈夫そうです。皆が危ない!って思ったときに何かこうするのが正解だって、頭に浮かんだんです。」
ルノアの魔力を帯びた甲羅は光り輝いており、爆発も体液からのダメージもまったく受けていなかった。
これはもしかしたら『不浄なるもの』を倒せるかもしれない!
そう俺は直感した。
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