第155話 会敵
俺たち(マリサさん)は大量のグレイブキーパーを退けようやく、ルノアが言う『隠し部屋』の前に辿り着いた。
隠し部屋の入口には邪神樹アンノウンがやったのだろうか、おびただしい数の呪詛がかけられていた。
「な、な、なんという量の呪いでしょう。レイさんがおっしゃる通り、相手が人ならざる者の仕業であることが、これなら納得できる気がします。少し時間がかかりますが、解呪いたしますわ。その間、『祈り』は出来ませんので後方からのモンスターの対処お願いしますわ。」
そう言ってマリサさんは呪詛の解呪にとりかかった。
俺とミミはその間、ワラワラと沸いてくるグレイブキーパーをひたすら狩ったのであった。
ナニアは隠し部屋の前に来て動揺を隠しきれなくなったルノアを介抱していた。
〜30分後〜
「ふぅ~これが最後の呪詛ですわ」
マリサさんのその言葉と同時にパリンッと乾いた音が鳴り、最後の呪詛が解呪された。
隠し部屋の扉を開くと、禍々しい瘴気が溢れ出てきた。
その中を進むと部屋の中心に何かが寄せ集められた痕跡があり、そこから、『ピチャピチャ』『ゴリゴリ』『バリハリ』『チュパチュパ』と音が聞こえてきた。
そこへ近付いた瞬間、『ヴォン』と不吉な音を立てながら、黒に近い赤色の魔法陣が起動した。
「な、なんだ!警戒しろ皆!」
「おやおや、この部屋に入ってこれる方がまだいましたか?」
部屋の中心の塊から立ち上がった何かが話し始めた。
全員一気に戦闘モードに入る。
「おやおや物騒ですねぇ。いきなり剣を向けるとは。」
「お前何者だ!邪神樹と関係があるのか!?」
「!!!邪神樹様を知っておいでか。ということは、貴方が邪神樹様に刃向かう女神の使徒ですか?」
「だったらなんだ!」
「そうですか。であれば生かして返す訳にはいきませんねぇ。まぁえぇ。この部屋に入った時点で誰であろうと生きて返す気は元よりないのですがね………それでは、死んでください。いでよ『不浄なるもの』!!」
得体のしれない何かが叫ぶと魔法陣が震え地の底から1体の異形の者を召喚したのだった。
ソイツは全身がただれており、身体のいたるところがボコボコしており、まるで火山やマグマが煮えたぎっているようだった。ボコボコが臨界に達すると小さな爆発を起こし、見るからに有毒なガスを振りまいている。
身体から落ちた体液はジュージュー音を鳴らして地面を焦がしている。
「紹介しよう。このダンジョンの不浄から私が作り出した傑作だ!!『不浄なるもの』とくとご賞味あれ!!」
『ヴァァァァァ!!!!』
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