第154話 隠し部屋への道のり
俺たちは忘却の王墓を進んだ。
王墓と言うだけあって、ダンジョンの中はアンデット系のモンスターばかりだった。
地下1階~地下3階層は主に腐った系のモンスターが多く臭いもなかなかヒドかった。
その度に、ナニアの赤い爪が火を吹きモンスター達を燃やしていた。
今も
「チョークセェんですけど!!」
「そりゃ腐ってるからな。ってか、腐肉でガスが発生してるから燃やすなナニア!」
「えぇ~メンドイよ~レイっちぃ~」
「・・・ミミ。悪いケドいける?」
『ウン!父タマ!全部ジュワジュワシチャウネェ~!!』
そうして途中からミミがモンスターを取り込み体内の強酸で消化してくれた。
「ヒィィ!ミミさんスゴいというか、グ、グロいですねっ」
「そうだね。ルノアさん。でもね、グロいはやめてあげて。ミミ傷ついちゃうから(笑)」
『父タマ、ミミ大丈夫ダヨ?』
「はっ!済みませんミミさん!」
『大丈夫ダヨ。ルノアチャン』
「さて、階段があったね。いよいよ地下4階だ。ルノアさん大丈夫かな?」
「ううっ!は、は、はい。大丈夫です。私も皆を弔ってあげたいので。」
そう、ルノアはガチムチの出で立ちで震えながら言った。
「ルノアっち大丈夫だよ!なんかあったら、あーしが守ってあげっから!」
「そうですよ。ルノアさん。我らが神アルマを冒涜するような輩ならば私が全て滅して差し上げます!」
「だってさ。俺達がいるからね。」
「は、はいっ!皆さんよろしくお願いします!」
地下4階層
このダンジョンが『忘却の王墓』と言われる所以にもなっている場所が地下4階からだ。
つまり、至る所に墓がある。
南の国の偉い学者さんの話だと地下4階の墓地は従者たちの墓地とのこと。
地下6階層には側近の墓が地下8階層は王の血縁の墓が。
そして、最下層の地下10階が王の墓とのこと。
俺たちの最終目的地は地下10階の王墓に置かれている聖印だが、現在の目的地はここ、地下4階層でルノアたちが見つけたという『隠し部屋』だ。
そこを目指し俺たちは進む。
すると墓の脇や地面から大量のスケルトン種のモンスターが出てくる出てくる。
グレイブキーパーという墓守りのスケルトンだ。
こいつらは兎に角、量が多い。
そして、剣、クワ、鎌、槍など多種多様な武器で襲ってくる。
非常に面倒くさいのだが、実は裏技がある。
まさに今、俺たちは裏技を使ってる。
それは、上級シスターのマリサさんだ。
彼女の『祈り』はグレイブキーパーたちを退ける。
教会で売っている聖水も効果があり、大抵の冒険者は聖水を大量購入しバラまきまくるが、マリサさんは魔力がある限りいける。
また、『聖水』や普通のシスターの『祈り』なら、モンスターを遠ざける程度の効果だが、マリサさんは『上級シスター』だ。
『祈り』の効果範囲に触れてしまったグレイブキーパーたちがたちどころに灰になる。
これは面白いくらい灰になる。
だから、地下4階層に入ってマリサさんが『祈り』はじめた途端、グレイブキーパーたちはカタカタと音を立てながら逃げ始めた。
しかし、ルノアさんの案内に従って隠し部屋に近づき始めたところ、状況が一変した。
逃げ惑っていたグレイブキーパーたちが、逆に先(この場合は隠し部屋)にいかせまいと、特攻を仕掛けてくるようになった。
そんなグレイブキーパーの波を『祈り』の力で蹴散らして俺たちはは遂に隠し部屋の前に辿り着いた。
そこからは禍々しい瘴気が立ち昇っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます