第153話 邪神と邪神樹②

「『邪神樹アンノウン』は世界を混沌と混乱にいざない、そして!!」


「そ、そんな!この世界に『邪神』なんてものが存在する訳、存在する訳が!?」


「詳しくは言えないけれど俺は確証を得ているんだ。信じるか信じないかはマリサさんに任せるけれど、『邪神』は。ただし、今現在はこの世界には。」


「いるのにいない?どういうことですの?」


「そうだな。『邪神』という存在は実在しているけれど、この世界に今は存在していないっていったらわかるかな?ちょっと違うけど、中央国家にはいるけれど、南の国にはいないって感じ?ニュアンス伝わるかな?」


「え、ええぇ。。。な、なんとなく言わんとすることは伝わりましたわ。でも、今こちらの世界にその『邪神』がいないのなら、その力を行使することも出来ないんじゃなくて?」


「普通に考えたらそうだね。でも、だからこそ俺はここでアイツが暗躍したと踏んでいる。あの『邪神樹アンノウン』が!!」


「なるほど。その『邪神樹アンノウン』が何らかの形で『邪神』の力を行使したとお考えなんですね?」


「そうです。信じてもらえるかわからないけれど。」


「・・・私は『神アルマ』を信仰しております。そして、レイ様とはそれこそ付き合いは、ほぼないです。ですが、私の中の『神アルマ』への信仰が言っております。レイ様のお話は信用できると。なので、私はあなたを信じます。」


「ありがとうマリサさん。多分だけど、『邪神樹アンノウン』は何らかの形で『邪神』の力を借り受け、邪法を使ったんだと思う。それで、ルノアさんはあ~なったんだと思う。」


「で、あれば私たちは邪法が行われた、その痕跡を見つけなければなりませんね。ルノア様のためにも。」


「信じてくれて、ありがとうマリサさん。」


「こちらこそ、お見苦しい姿をお見せしてしまい失礼しました。」


そうして、俺とマリサさんは2人が落ち着くのを待ち、落ち着いたところで今後について話をした。


「まずは、ルノアさん達が被害に遭った『隠し部屋』に行こうと思う。皆いいかな?」

「うん。」「はい。」『ワカッタ!』

「ルノアさんにはツラい思いをさせてしまうかもしれないけれど案内頼めるかな?言い辛いんだけど、被害に遭われた方たちの痕跡や遺品を見つけてあげたいんだ。」

「はい。ツラいけど、ツラいけど、が、がんばります。」

「ありがとう。それで、その後は余裕があれば『聖印』を取りに行く。なければ、一度戻って体制を立て直そうと思う。」


そうして俺たちは先へ進んだ。

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