第150話 懺悔

大男が落ち着いたタイミングでマリサが口を開いた。

「ふふ♪落ち着かれたようですね。戦士さま♪私はサンサンプトンの『聖プロギシア教会』のシスターをしております、マリサと申しますが、貴方様は?」


「はわわわ!シスター様!良かった!あっ!私の名前は!?い・いや、お・俺の名前はと申しま・・・だ!この度は助けていただいて、あっあっありがとうござる!?」


「「「・・・・・・なんか変なキャラの人きた」」」


コホンっと小さく咳ばらいをしてマリサは続けた。

「ノア様と申されるのですね。改めまして私はマリサと申します。それで、こちらがレイ様、ナニア様、ミミちゃんです。」

「はわわわ!先ほどは失礼しましたっ!!レイさん、ナニアさん!怖がっちゃってゴメンなさいミミちゃん!!」っと大男がジャンピング土下座をしてきた。


「い、いや、大丈夫だよ?ノアさん。それにしても、ノアさんはこんなところで1人でどうしたんですか?それともソロでダンジョン攻略に来ていたんですか?それにしては装備や物資がない気がしますが?」


「・・・1人。ひ、ひ、ひ、1人ぃぃぃぃぃ~!!」

そう言うとノアという大男はオンオンと泣き始めた。


それから10分後。


「ノアさん済まない。何か失礼なことを聞いてしまった様だ。この通りだ済まない。」そう言って俺は頭を下げた。


ズズズズ、ズビビビと鼻水をすするノア

「い、いえ。いいんでづ。レイ゛ざんは何も悪くな゛いでづから・・・」


これを受けて聖母のような表情と柔らかい口調でマリサが話し始めた。

「ツラい。思いをされたんですねノア様は。私はシスターですから、ノアさんさえよければ、あなたの心に刺さっている棘を一緒に持ちますよ。それでノア様のお心が少しでも軽くなるのであればなおのことです。」


マリサの言葉を聞いて、ポツリ、ポツリとノアは何があったかを語り始めた。

「ジジジスター!!わっ私は仲間を守れなかったんでず!家族の様に大事な仲間を守ることができながったんでず。わだじ達はダンジョンで地図に載っていない隠し通路を見つけたんでず。わたじがあの時、『これ以上はやめよう!ギルドに報告しよう!』っで言っでれば、いっでれば、、、皆は死な゛な゛くでずんだのにっ!!うわぁぁぁぁぁ!!!!」


マリサはノアを優しく抱きしめ言った。

「大丈夫です。ノア様は何も悪くありません。ですが、ノア様が悔いていらっしゃるなら、私もその悔いを少しですが持たせていただきます。」

「ジズダーー!!」

「大丈夫ですよ。ノア様は一人ではありません。」

「あ゛りがどうごじゃいまず。」


それから10分後


「ノア様また少し落ち着かれましたかね。」

「はい。シスター。それに皆さんも済みません。こんな私なんかに、、、」

「いえいえ♪大丈夫ですよ♪それよりも私には1つ気がかりがあります。伺ってもよろしいですか?」

グスンッ「は、はい。も、もう大丈夫です!」

「では、お伺いしますね。ですが、無理はなさらないでください。隠し通路があったと。そこでノア様の大切な方たちが亡くなられたと。そこはドコで何があったんですか?」


マリサのその言葉を聞いた瞬間、『ギュッ』と音が聞こえ、ノアさんの身体が実際に縮こまり、そして何があったかを語り始めるのであった。

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