第135話 犀と河馬

雄血矢之故犀犀おちゃのこさいさい

そうサイの獣人である『ライノス砂海賊』船長のランガオガが叫ぶと、折れた角に魔力を集中させ物凄い勢いで突進をしてきた!!


間一髪で避けたところ、ライノスが衝突していないにも関わらず、その余波だけで、俺の後ろにあった建物には風穴が空いていた!!


「ヒッポ!ステップ!ジャンプ!がらの~ヒッポーアタック!!」

今度はカバの獣人である『ヒポヒッポ砂海賊団』船長のタマナスが自身の下半身に魔力を集中させ、その巨体からは想像のつかないほどの大ジャンプを行い、その巨体に見合った尻に魔力を集中させ、まるで隕石の様に一気に落下しナニアを潰そうとしてきた!


こちらもナニアが間一髪ゴロリと転がり避けたところ、ナニアが立っていた場所は半径5メートル、深さ1メートルに渡って穴ができていた!!


「あっぶねぇ!ナニア大丈夫か?こいつら本気で俺たちを殺そうとしてるぞ!なによりも以前、ナニアが言っていた通りジュエル=ヨコセッシ並に強いぞ!!」


「あーしは大丈夫!でもマヂでコイツらムカつくんですケドォォ!!」


「「「「「親分!姐御!!どうしちまったんですかぁぁぁ!!!!」」」」」



「おい!お前らどういうことだ?お前らの意思で俺たちを襲ってきてるんじゃないのか?」


「「「「「そんな訳ないじゃないですか~!俺たちだって砂海の協定くらい守ってますよ~!何より親分たちがオアシスを汚すわけないじゃないですか!!俺たちだって砂海の民だ!!」」」」」


「どういうことだってんだ!!」


ライノスは今度は自身が持っている長大な斧に魔力を籠め振るってきた!!

「木っ端微塵に弾け飛べ!!『爆砕バクサイ』」

俺は咄嗟に『宝剣 龍之顎』をクロスさせ受け止めた!

ズンッ!!と重量が足に加わるが、なんと魔力の爆発が起きない!

どうやらミミが説明したようにライノスの魔力を『吸収』したようだ!!


ナニアの方でも2メートルを超すタマナスが、これまた2メートルは優に超えているであろう大槌に魔力を籠め振り降ろしていた!!

「潰れて焼け死ね!!『河馬血火羅カバヂカラ』!ぬぅぅぅうん!!」

「あぶねぇだろがオイ!」ナニアはそう叫びながら『クリムゾン』の爪を水色と緑色の2色のボーダーにし迎え撃つように下方向から爪撃を振るった!!

すると、水属性と風属性を纏わせた『クリムゾン』はタマナスの火属性を水属性で相殺し、風属性でスピードをアップさせタマナスの振るう大槌の最大威力が発揮される打点に到達する前に、その爪撃で見事に大槌を斬り裂いた!!


「「なっ!なんなんだぁぁぁ!!」」


「「おっ!おおぉぉぉ!!スゴい(スッゴ)!!コレ!!」」


「ナニアこれならやれるぞ!」

「うん!コレなら、あーし達でもイケるかも!!」


「「ナメやがってぇぇぇ!!!殺ず!!オイ!!全力ダ!!街ごとコイヅ等消すゾ!!!」」


「「「「親分!姐御!!あれは街でやっちゃダメで(やん)す!!!」」」」」


「「ウルザイ!!お前等もまとめて街ごと消し飛ばしてヤる!!」」


そう言うとライノスとタマナスは2人同時に己の身体に魔力を集中させるのであった!!

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