第129話 黒神

ザルドルは言った「ナニアは水花火から舞い降りてきた『天使』だとか、モンスターに無双するところから戦乙女ヴァルキリーだとか、『街の人に助けてもらったから』と言って、無償で街中に配って歩いてるところから、だなんて神格アイドル化されてる。」と。


そして最後に付け加えるように俺に伝えた。

「ちなみにお前もな(笑)」


どういうことだってんだ?ナニアはまぁわかるが、俺は一週間寝たきりだったんだぞ?

それが何で神格アイドル化に繋がるんだ?


そんな風に俺が考えているとザルドルが言った。

「実はな、この砂海やロコロッコには言い伝えがあるんだ。『この世界が荒れるとき、天より黒神舞い降り泰平の世を成す。』と言う言い伝えがある。」


「『黒神?』それが俺だと?なんでだ?俺は神でも何でもないただの冒険者(転生者だけど)だぞ?」


「お前知ってたか?実はなこの南の国においちゃななんつーもんは基本存在しねぇんだ。」


「黒髪の人間が存在しない?どういうことだ?」


「他の国は知らねぇぞ。ただな南の国においちゃ昔から黒髪の人間はな。」


「ほぼってことはいるんだろ?」


「いるにはいる。それが黒神の言い伝えのだ。黒神はなんだそうだ。その黒髪の人間が数百年も前に争いの絶えないこの地に現れ国を統一しモンスターも一掃し平和を築いた。そんでな、その時ので出来たのが、このオアシスとロコロッコの街だ。」


「このオアシスをロコロッコの街を黒神が、、、黒髪のが作った?まさか!?オアシスってバカでかいぞ!そんなことできる訳がない!」


「まぁな普通はそう考えるよな。だがな俺たち砂海の民は信じてるんだ。だからよ、そんな俺たちの前に水花火とともに一緒に現れた黒髪の人間であるお前は黒神の再来だと言われてるんだ。」


そんな説明をザルドルからされた。


さらにザルドルは続けた。

「決してなレイ、お前に変なプレッシャーをかける気がって言ってるんじゃないんだ。でもな、俺はある種期待しちまってる。だからよ、俺らの商会に伝わる本当の『水花火の伝説』を話すよ。どうとらえようとそれはお前の勝手だから気にするな。今から話すことは俺の自己満だ。」

そう言ってザルドルは本当の『水花火の伝説』を教えてくれた。


『世界が混乱に満ちるとき、水花火立ち昇りし時、天より舞い降りる人あり。時が満ちた時、スベテヲクラウモノと対峙し砂海の理を解き明かすだろう。さすれば世界の窮地に光挿すであろう。』


続けてザルドルはある種の熱をもって俺に告げた。

「『水花火の伝説』とな『黒髪の言い伝え』を合わせるとな、レイ、お前がいつかこの世界が荒れた時に。って読み取れるんだよ!!レイ!お前はあのモンスターの始祖である四死神獣ししんじゅうを倒せる可能性がある唯一の人間だと俺は思ってるんだ!!」




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