第122話 学者

新たに仲間になったミミ。

この子は伝説のモンスターと言われているスライムの古代種らしく、現在の世界ではミミックスライムは存在しないらしい。


なぜ、そんなことがわかるのかと言うとミミ本人が教えてくれた。

どういうことかと言うと、ミミはしたもののことが出来る。


つまり、今回の場合で言えば、ヘルスカラーを捕食したミミはではあるが、ヘルスカラーの

その中に自分に関する記憶があったとのこと。


それによると、ミミックスライムは今から数百年も前に滅びた希少なスライムとのこと。では、なぜミミは滅びなかったかというと、スベテヲクラウモノに飲み込まれたからである。


しかも、飲み込まれたこの神殿はどうやら、その時代であったようで、神殿の中にいた人物も優秀な人間が多かった。

神殿がこのまま消化され消滅してしまうことを恐れた人間たちは、持ちうる知識を総動員してを完成させた。


禁術『クロノフリジング時凍結


この禁術によって神殿も生き物もミミックスライムも全ての時が停まった。


時が停まった神殿は流石のスベテヲクラウモノをもってしても消化は出来なかった思われた。


それから数百年が経った今から40年ほど前に当時の学者の一団が過去の文献から神殿を探し、この地へやって来た。


そして砂海を渡り辿り着いた神殿のあった地で、神殿が消失していることに気が付き途方にくれていた時に、突如として現れたスベテヲクラウモノに飲み込まれた。


そして、飲み込まれた地で彼らが探し求めていた神殿を発見した。


学者たちは喜び打ち震え、神殿へ入ろうとしたが、『クロノフリジング』によって護られていたので、神殿に入ることが出来なかった。

そこで学者たちは何年もかけ解除を試みた。

その歳月の中でモンスターに襲われたりストレスであったり様々な要因で1人倒れまた1人が倒れていった。


そして、ついに最後の1人となった学者が解除方法を確立し神殿に足を踏み入れた。

しかし、ここで1つ過ちがあった。


それは解除の呪文が中途半端であったことだ。

結果として、突如として解除された反動で神殿の中にいた人間は急激な時の加速に耐え切れず皆死んでしまった。

ミミは一時的に身体が分解してしまうもスライムだったので、元に戻ることが出来た。

神殿は無機物だったので、そのまま問題なく存在した。


学者は己の無力を嘆いた。

過去の偉人から直接話を聞ければこの神殿を本来あるべき姿を知ることが出来たから。

しかし、嘆いてばかりもいられない学者は本来の目的である神殿の謎を探った。

そして、この神殿の核心に近づいたところで、この学者の命は唐突に終わるのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る