第120話 モンスターズリンク

時は戻って再びレイとミミックスライム



『ピィピピィン!!』と何か謝っているような声を発したかと思うと俺の姿をしたミミックスライムは前のめりに倒れ、そして元の姿に戻った。


どうやら俺の勝ちらしい?

「ふ~勝ったでいいのかな?」


そんな安堵の声をあげた瞬間に俺とミミックスライムの目が合うのであった。


ミミックスライムに目があるのか不明だが、何か目が合っている気がする。

まだ、何かやってくるのかと思って、ジッと見ていると急に何かが繋がったのか、変な気がした。


すると突然、なんとなくだが、ミミックスライムには敵意がなく、むしろ感謝と謝罪をしてきているという様なことがわかった。


本当になんとなくだが、もう大丈夫だと思い、ボロボロの身体ではあるがナニアの助けに行かなければと、そちらを振り返ると、ちょうどヘルスカラーがナニアによって木端微塵にされてるところだった。


「あれ?ナニア今殴ってた?急にヘルスカラーが木端微塵になったように見えたような気が・・・あれ?なんかアイツ白くね?あれ?」なんて思いつつ目をこすっていたら、ナニアが倒れたので急いで助けに行ったら、ナニアはいつもの小麦色の肌で金髪のナニアだった。

「あれ?気のせいかな?」

「レイっちぃ~あーし死ぬぅ~疲れたしぃ~毒で身体ボロボロなんですけどぉ~!!」

「ん?おおぅ!大丈夫かナニア!ほら毒消し薬だ!飲め!」

「ム~リィ~それメッチャマズいじゃん!!あーし飲みたくないっ!ゴフッ!!」

「おいおいそんなこと言うなって!ほら今だって血吐いてる!!なんでもするから飲んで!!」

「なんでもしてくれるの~じゃあキスして飲ませてよっ!だったら飲めるっ!!」

「なっ!ん~仕方ない!じゃあいくぞ!しっかり飲めよ!!」


俺は口に毒消し薬を含んでナニアに口移しで流し込んだ。

ゴクッゴク!!

ナニアが飲んでくれたので離れようとしたら離れない!それどころか舌を絡めてくる!!


ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱ・・・


そんな訳の分からない時間が少し経った頃ナニアが急にビックリして起き上がった!!


「ナニコレ!あーしの頭の中に何か話しかけてくる!!ナニコレ!ん?もしかして、あーしに話しかけて来てるのはアンタ?」


『キュー!!』


振り返ると俺の後ろには先ほど倒したミミックスライムがいた。


『キューキューキュキュキュー!!!』


「え?何?あーしが倒したコイツ食べたいの?い~よ別に。あーし別にこんなの喰いたくないし!ってか、可愛くねアンタ♪」


俺にも『そう言っているんだろうな』というのが、なぜか想像できたというか頭に語りかけてきているのがわかった。

やはりなんか変だ。


テイマーは力ずくで従わせて、そっから主従関係作って命令してるって聞いたけど、この状況は少し違う気がする。


なんかモンスターの心と俺たちの心がリンクした気がする。


『ピキュー♪』


なんかミミックスライムが喜んでる気がする。

そして、次の瞬間ミミックスライムが木端微塵になってるヘルスカラーを捕食した。


ミミックスライムは半透明なので体内に骨が浮いてるのが見えたが一瞬で消化された。


「「ほへぇ~スゴいなあっという間に消化された」」と2人で声をそろえて言ったところ、俺たちは話しかけられた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る