第114話 切り札

「我にはがある!我の真の姿を見て震えあがるがいい!そして、出でよ!伝説のモンスター!ミミックスライム!!!」


ヘルスカラーが叫ぶとヘルスカラーにドス黒い怨念が集まった!


そして、ドス黒い怨念の霧が晴れると、そこに現れたのは、腐肉どころか、全ての肉をそぎ落とした骨だけの状態のヘルスカラーであった。

そらに怨念が染み込んでいきヘルスカラーの骨はドス黒く変色した。

「改めて名乗ろう。我の名はヘルスカラー。この漆黒の身体をもって貴様らに未来永劫の苦しみを与える者なり。」


そして、その隣には半透明のゼリー状のモンスターがいた。

そのモンスターはナニアと目が合うや否やナニアに瓜二つの姿に変わった!!

どうやらコイツがミミックスライムというやつらしい。


『ココカラサキヘハイカセナイ』


この2体のモンスターと対峙した瞬間、直感的にヤバいと思った。

ナニアも何かを感じ取ったのか瞬間的に警戒設定を跳ね上げていた!


気を張っていたが俺は、まばたきを一瞬してしまった。

その一瞬が命取りであった。


一瞬のまばたきが終わった瞬間、俺の目の前にはヘルスカラーゾンビが立っており、慌ててその場から離れようとした俺を、どこからか生やした怨念の鎖を操り俺を縛り付け、そこに怨念で練り込まれた爆発呪怨『ヘルズボム』を叩きこんできた!!

結果、俺は大ダメージを受け神殿の壁に吹っ飛ばされた。


その光景の一部始終を見ていたナニアは俺を助けようと『爆血苦』を発動しヘルスカラーを退けようとしたが、ナニアの前に突如として同じモーションで同じ軌道で『爆血苦』を放ってくるナニアに似たものが現れ、ナニアを邪魔した。

不幸なことに威力は本家のナニアよりも高く、殴り合いになったナニアは逆にボコボコに殴られ俺とは反対側の壁に吹っ飛ばされた。


「「グハッ!!」」


「クハハハ!効いたであろう!貴様らでは我には勝てないのだ!!この真の姿になった我の前に為す術もないであろう!!宝は渡さん!」


満身創痍とはこのことと言わんばかりに俺もナニアも傷だらけになった。


「はぁはぁナニア大丈夫か!!」

「レイっちぃ~かなりヤバめ・・・あいつ訳ワカメなんですケド~!あーしと全く同じ技使ってきた!しかも、あーしより一発一発の威力が重い!!なんなの~アイツ!!」


ナニアが叫ぶとヘルスカラーが高らかに嘲笑った!


「クハハハっ!貴様らが、コイツに勝てるわけがない!コイツはこの神殿に封印されていたところを我が見つけ出した、太古のモンスターの生き残り『擬態ミミックスライム』。これに我が開発した『狂乱の首輪バーサクカラー』を嵌めれば自我を抑え込み、凶化する。それによって、力のリミッターを無理矢理排除した。そうすることで本来の数倍の力を発揮する。そうして我の命令だけ聞く、破滅のモンスターの出来上がりよ!!」


「ミミックスライムなんて聞いたことないな。それに『狂乱の首輪』なんて物騒なもん作りやがって!ナニア!俺がミミックスライムを倒すから、ナニアは何とかヘルスカラーを倒してくれ!!」

「りょ!あーしボロボロだけど、あんなガングロ骨野郎にはぜってぇ負けない!!」


こうしてヘルスカラーゾンビとのファイナルラウンドの火蓋が切って落とされた!!

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