第112話 声のぬし
再度、どこからともなく亡霊が発するような低く不気味な声が神殿に鳴り響いた。
「なんだとヘルガーディアンが負けるとわ賊よ!絶対に宝は渡さない!!」
「サキニハイカセナイ」
そう声を残して消え去った。
「はぁはぁナニア大丈夫か?」
「うん。大丈夫!!でもチョー疲れたね!」
「うへぇ~ペッペッ!!口の中に粉々にしたヘルガーディアンが入ってきた。ん?何だこのアメ玉みたいに丸い石は?念の為しまっとこう。それよりナニア疲れたなら少し休んでいこうか?」
「え?それってもしかして、あーしレイっちに襲われちゃう系?喜んで!!」
「違う違う!!なんか大丈夫そうだな(汗)」
「わかってるわかってる♪レイっちからかっただけだよ~♪」
「でも、冗談はさておき、少し休んでいこう。きっと、あの声の主が俺たちにまだ仕掛けてくるだろうから。」
「ほ~い!!」
「でもさ~ここ本当になんなんだろうね?あーし達、あの馬鹿デカいモンスターにパックんちょされちゃったよね?なんで、こんな街だの神殿だのがあんの?モンスターもわんさかいるし!!」
「確かに謎だよな。でも、今わかっていることとしては、ココはモンスターの腹の中だし、俺たちは生きている。んでもって、多分昔の街がそのまんま残ってる。んで、モンスターまでいるってことだ。」
「レイっちさぁ~それ真顔で言ってるケドさ、あーしが言ったことそのまんまぢゃね?まぢウケるんですケド~www」
「ははは!わかったか!そうだね。つまり俺も何もわからないってことだ。だからこそ、あの謎の声の主に会わなきゃいけない気がしてる。」
「うん。そうだね。あのキッショイ声のやつ探そっ!!あいつゼッテーなんか知ってるし、何よりも宝があるって言ってた!!宝があれば、おばちゃんとこで肉喰い放題だし!!」
「ナニアさん目が肉になってるよ。それにヨダレ垂れてますよ(汗)それじゃあ、そろそろ行こうか。アイツは多分神殿の一番奥にいるだろうから。」
「レイっちスゴくね?なんで奥にいるってわかるの?」
「入口の近くに宝があったら簡単に盗られちゃうだろ?それに、さっきのヘルガーディアンだって俺たちを神殿の奥に行かせないために出してきたんだし」
「へ~そっか!んじゃ神殿の奥まで、れっつらGO!!」
道中、モンスターからの襲撃が何度かあったけれど、先ほどの戦闘に比べたら楽だった。
最奥の部屋に繋がるであろう扉を開く。
「クソ!ついてしまったか!!だが、しかしココガ貴様らの墓場になる!我の研究は誰にも渡さない!!」
そう言うと、体中が腐敗してボロボロになっている研究者のようなものが、俺たちの前に立ちはだかった!!
「我が名は、『ヘルスカラー』この砂漠を愛し人間を滅ぼす者なり」
そうして『ヘルスカラー』との戦闘が始まった!!
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