第101話 パーティ

チュンチュン。


小鳥のさえずりが聞こえる。


最近になってようやく見慣れてきた天井だ。


隣にはナニアが幸せそうに寝ている。


なんか、俺の思ってた展開とだいぶ違うけど、どうやら俺は真の男になったようだ?


ナニアを起こさないように起きてリビングへ行く。


昨日は休息日だったので家には誰もいなかったが、今日はもうフェリスとオシミーヌさんがいる。


俺が席に座ると、「旦那様。昨夜は随分と」と冷酷な笑みでコーヒーと濡れた布巾を置いてくれた。


え?やだ!盗聴器?え?盗聴魔法!?なんて思って焦っていたら、後ろからヒョコっと顔を出したフェリスが「旦那様。顔から体中にナニアちゃんのキスマークがっ 照」と一言。


合点。だから濡れた布巾なのね。焦って顔から身体を拭きましたとも。


そして俺が身体を拭き終わったところでオシミーヌさんが口を開いた。


「旦那様。お忘れだと存じますが明日はこのお屋敷にマリアン王女、ピピン様、カラバッジオ様、フランソワさんなどをお招きしてパーティーを催すことおぼえてらっしゃいますよね?」


「あっはい。すみません。今思い出しました。」


「いいんです。旦那様はお忙しかったのですから。私共が準備を進めさせていただきましたので問題ございません。ただ、明日は五芒星騎士の皆さんもいらっしゃりたいと本日、城を出る前にことづかったのですがいかがでしょうか?」


「良いも悪いもないですよ。ぜひお願いします。とお返事してください。」


「そうおっしゃられると思いまして、そのようにその場でお答えさせていただきました。」


「さすがオシミーヌさんだね。ありがとう。」


「滅相もございません。それとエヴァン様より『楽しみにしてて』とことづかりました。」


「なんだろう?わかった。ありがとう。」


そんなやり取りしてたら、ナニアがリビングに裸で降りてきて、オシミーヌさんにメチャクチャ怒られてた。


そして次の日。


我が家にはそうそうたるメンバーが集まった。


「本日はお招き有難うございますわ!レイ様!

「レイの家スゴイ広いね!僕の家の何倍あるんだろ?」

とマリアン王女とピピン。


「いい家だな。なんかお前ばっかりズルくないか?」

「レイ殿お招きくださり感謝する。殿殿

とカラバッジオとフランソワさん


ってか、マリアン王女とフランソワさんのナニアへの変な問いかけは何なの???


「お~いお招きありがとう♪」とエヴァンさん達、五芒星騎士の皆さんがいらっしゃった。

あれ?カームさんとマスラーオさんがいない?


「あれ?カームさんとマスラーオさんはもう『邪神の大口』に行かれてしまったのですか?」


「ちがうよ~あとで♪お楽しみに~」とエヴァンさん。


「レイ君ご無沙汰しているよ!今日はお招き有難う!」と学者のシュトさんも来てくれた。


そんなこんなで和やかにパーティーが始まった。


パーティーは我が家主催ということもあって、ファントムタランチュラの脚の塩茹、ビッグシックルの鎌焼き、モスバタフライの厚揚げ、アイアンテントウのミートボール、ジャイアントアントの酢の物、スモーキーガストのハンペン、プラントウルフとプラントタイガーのシャキシャキサラダ、ボムボムラビットの燻製、シーサードラゴンフィッシュの御造り、マンバドラゴンの血割りホットワイン、タイタンワームのから揚げ、マンバドラゴンのタンシチューなどのモンスター食材のオンパレードであった。


マリアン王女やフランソワさんには厳しいかなと思って普通の料理も用意してあったんだけど、ピピンが「美味しいよ?」とマリアン王女に言ったことがきっかけでマリアン王女が食べようとし、「それならば私が先に」と毒見をかってでたフランソワさんが食した。


結果、2人はハマったらしく凄く沢山食べていた。


因みに、先日のナニアとのそれは、どうやらマリアン王女とフランソワさんの入れ知恵だったらしく、上手くいったことをナニアが報告し2人がキャーキャー言いながら3人で喜び合っていた。


後ろからラゴラゴさんがきて、「YO!レイ!お前って、どうやら王宮の罠にまんまとヤラれちまったYOだな♪まぁHAPPYならすべてYOし!」と言われた。

どうやら、王宮では煮え切らない恋が合ったりすると昔からあ~やって相手を落とすそうだ。


それこそ、こっそりとベリアさんが教えてくれたのだが、王様もそうやってやられて王妃様と結婚したらしい。


いやだ!女性の策略怖い!!


そんなこんなで、メインメニューへ行こうとしたら、エヴァンさんから待ったが入った。


何かな?と思ったら遠くからカームさん、マスラーオさんの気配が凄い勢いで近づいてくる。


スゴいスピードで岩鉄ゴーレムの馬車が我が家の前で停車した。

中から人が出てきた。


俺とピピンはそれを見て涙が自然に零れた。

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