第93話 それぞれの処遇
~謁見の間~
謁見の間にはエヴァンさん、ピピン、カラバッジオ、ナニア、フェリスそして俺の6人がいた。
王様が入ってくると俺たちは即座に片膝をつき頭を下げた。
しかし、ナニアとフェリスは訳が分からぬようで突っ立ったまんまであった。
「え?何?チョーウケるんですけど!レイっち急にどうしたのwww」
「ナニアちゃん!これ真似しなきゃいけないんじゃないの!!」
「おい!ナニア!王様の前だ!頭下げろ!!」
「え?そうなのレイっち?王様ごっめ~ん!」
そう言って、ナニアとフェリスもレイたちと同様に頭を下げた。
「な、なんじゃお前ら・・・」と圧倒される王様。
ウォッホンと大きく咳払いをして気を取りなおしてから王は言った。
「面をあげよ。レイ、(娘を奪おうとする不届き者!!)ピピン、カラバッジオ、此度は大儀であった!よくぞ我が国から宝物を盗んだジュエル=ヨコセッシ達一味を捕縛した!褒美を取らせよう!」
「「「はっ!有難き幸せ!」」」
「お主たち3人には爵位を授与する!お主たち3人は本日をもって男爵とする!」
「「「はっ!謹んでお受けします!」」」
「あとは、お主たち3人にはそれぞれ王都に屋敷を用意した。(泥棒猫)ピピンとカラバッジオ。お主たち2人は何かと城に来ることが多いじゃろうから、我が城にほど近い場所に屋敷を。レイ、お主は今回、首魁であるジュエル=ヨコセッシを見事捕縛したことと、お主が今後も冒険者としてこれからも活動をしていくことを考えて、少し郊外になるが他の2人に比べて大きな屋敷を用意した。そちらを拠点として使うがいい。」
「「「はっ!ありがとうございます!」」」
「よい。して、あとはアマゾネス2人じゃな。お主たちには処罰を与えんといかん。」
処罰と聞いて瞬間的に発言してしまった。
「王様!どうかこの2人を・・・」
これに対し厳しい顔で俺を手で制す王
「レイよ。気持ちはわかるがな、お咎め無しとはいかんのだ。わかるな?」
「・・・はい。」
「わかればよい。して、お主たち2人よ処罰を言い渡すが、その前に確認じゃ。ナニアよ、お主は我が国に今後、仇名すことはあるか?同様にフェリスよお主は我が国に今後、仇名すつもりはあるか?真に答えよ。」
「あーしは、あーしとレイっちに害を及ぼすなら、国だろうが神だろうがブッ潰す!でも、何もしないならそんなことワザワザする気はない。」
あっけらかんと本音を話すナニア
「わ、わ、私はそんなことしないですぅぅぅぅぅ」
半ベソをかきながら答えるフェリス
「あいわかった。では、お主たちに処罰をくだそう。まず、フェリスよ。お主は非戦闘員だったな。我が国に仇名すことがないのであれば、罪を減刑しよう。お主への処罰はレイの屋敷の使用人になること。そして、使用人としてのイロハを覚えるまでは、この王城に住み込み、メイド長であるオシミーヌの元で働くこと。更に反逆行為が出来ぬように我が国専属の呪術師による隷属紋を3年限定でつける。よいな?」
「はいぃぃぃ」と安堵で泣きながらフェリスは返事をした。
「そして最後にナニアじゃな。お主の処罰は正直困っておる。お主はジュエル=ヨコセッシ一味の幹部じゃ。その罪は重い。だが、ジュエル=ヨコセッシ一味を捕縛するためにお主はジュエル=ヨコセッシに反旗を翻し、見事に幹部の1人を討って見せた。それは、ここにおるエヴァンや他の五芒星騎士が確認しておる。だからな正直悩んでおる。ただ、お主の行動原理が先の質問で、なんとなくわかった気がする。だからお主に再度問おう。お主はレイと離れたくないのであろう?」
「お~よくわかってんじゃん王っち!そだよ!何て言っていいかわかんないけど、あーしはレイっちに会うために生まれたんだと思う。子宮の底からそれを感じるの!!」
「王っちって、初めて言われたぞ。子宮て、それをいうなら腹の底じゃろが。これだからアマゾネスは・・・まぁよい。であればお主の処罰は決まった。お主にはレイについてこの先冒険を続け、この国のために人々の為に力をふるうがよい。レイがおれば反逆もなかろう。それがお主への処罰じゃ。」
「うっそ!マヂで王っち!チョー嬉しいんですケド!!」
「ただな、1つ問題がある。」
「え?問題って何よ王っち!」
「レイがな、この提案を受けるかどうかだ。まぁ受けなければ、お主は隷属紋を一生つけて一生鉱山で働いてもらうだけじゃがな。まぁそれくらいの罪を犯したってことだ。」
「え~チョーヒドくないそれ!マヂあーし死んじゃうんですケド!!」
「レイよ。どうだ?」
「え?急に言われても!」
「レイっちぃぃぃ~あーし死んじゃうよ?」
そんなウルウルな目で見られたらOKと言うしかない。
「わ、わかりました王様。」
「うむ。この暴れ馬を頼むぞレイよ。」
「ヤッター!チョー嬉しいんですケド!レイっちこれからズッと一緒だよ♡」
なんかハメられた気がする・・・
こうして俺たち5人の処遇が決定した。
「あとはな褒美とは別だがお主たちに話がある・・・」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます