第92話 フェリス
「はい!おしまいっと!」と手をパンパンしながらエヴァンは言った。
そして、俺の方を向き彼は言った。
「さてと、あとはそこの2人なんだけどどうしようかな?」
そこの2人というのは俺と俺の腕に絡みついて離れないナニアの2人ではなく、ナニアの後ろに隠れて怯えているもう1人のアマゾネスのことだった。
「ほぇ~レイっちの親分メチャクチャ強くね?あーし、ちょびっつしか見えなかったよ!」
「ナ、ナ、ナ、ナ、ナ、ナ、ナニアちゃんどうしようっ!!」
名指しされてるのにのん気なナニア。
一方でガタガタと震えるアマゾネス。
「レイっちの親分さん!この娘、フェリスは見逃してくんね?じゃなきゃ勝てないのわってるけど、あーしもレイっちの親分と戦わなきゃいけなくなる。」
「ん~どうして見逃さなきゃいけないのかな?まぁなんとなくはわかるんだけどね。」
「フェリスは、あーしの妹分でアマゾネスなんだけど戦えない臆病な娘なんよ。元々あの金満クソババァにそのことで殺されそうだったんだけど、メシ作ったり掃除したりがチョーうまかったから、雑用としてなんとか生きながらえた娘なんよ。だから~今までの戦闘には一切参加してないのよ~だからお願いっ!!」
「やっぱりそういう感じの子だよね。でもなぁ~怪しい魔力もあるんだよね~。それにね、処遇に関しては君もだよナニアちゃん?」
※ フェリスの怪しい魔力の正体についてはいつか時間があれば別のエピソードで書きます。
「あーしは暴れてたし正直しょうがないと思ってるよ。でも、殺されるのは嫌だな。あーしはレイっちとズット一緒にいたし♡だから、殺されるなら全力で抗うよ?」
そういうとナニアは魔力を解放した。
「おいおいおい。やめろってナニア。」
そう言って俺はナニアの前に立つ。
「エヴァンさん。俺の我が儘なのかもしれないけど、ナニアとこの子はどうにかなりませんか?ナニアは確かに一度は罪を犯したかもしれませんけど、でも最後はナニアが俺たちの味方になってくれたからジュエル=ヨコセッシを倒せたんで。それにこの子も非戦闘員って言うじゃないですか。だから、お願いします。」
「ん~確かにね。まぁ2人に関しては王様に考えがあるみたいだから、王様のところに行こうか。それに、レイにもピピンにもカラバッジオにも王様から話があるみたいだし。」
そうして俺たちは王様の元へ向かった。
ちなみにその道中でナニアから「レイっちチョー男前だったんですケド!マヂ惚れ直したんですケド~♡」と更にナニアがベタベタ引っ付いてきたのはまた別のお話。
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