第89話 決着の刻
「あぁ!お前を倒すためだ!モンスターにだって何にだってなってやるさ!覚悟しろ!強欲女帝ジュエル=ヨコセッシ!!」
俺はありったけの魔力を籠めて大技を発動した。
『タイダルショック』
数十年に一度、湖の主と呼ばれる『シーサードラゴンフィッシュ』が放つ魔法で、それは湖や近くの集落に大災害を起こすと言われている魔法。
伝説の魔物であるリバイアサンや上位の海龍などが操る魔法である『大海嘯』や『タイダルウェイブ』に類する魔法である。
リバイアサンや海上にいる海龍や上位の魔物に比べたら下位にあたるシーサードラゴンフィッシュの魔法なので、その威力もそれらに比べると、そこまでではないが、何年も溜め込んだ魔力を放出することで放たれる、その魔法は湖にいるモンスターの中では断トツの威力である。
そして、今その魔法がジュエル=ヨコセッシだけに向けられている。
通常、タイダルショックは広範囲の魔法である。
しかし、今ジュエル=ヨコセッシに向かっている魔法は大質量であるが、高密度に圧縮され1人だけに向けられている。
なぜ、そんなことになっているかというと、レイが纏魔の応用で水属性の魔力を用いて無理矢理広範囲の物を抑え込み、ジュエル=ヨコセッシだけに向けているからである。
「このクソガキがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
ジュエル=ヨコセッシは自身の危機に持てる魔力をありったけ籠め反撃した!
『
カーニバルとはヨコセッシが保有する物を魔力や身体向上に変換する能力で、それはヨコセッシが強欲で保有している物の量と質による。
命の危険を感じたヨコセッシは惜しみなく魔力と身体能力の向上につぎ込みレイのタイダルショックに対応した。
ズゴォォォォォォォォォォ!!!!!!
凄まじい轟音が湖に鳴り響いた。
水しぶきがあたりに飛び散り、目の前に一時的に霧がかかった。
あまりの大迫力に圧倒されたカラバッジオであったが、勝敗を確認しようと目を凝らした。
そして、霧がはれた。
カラバッジオは目を疑った!!
ジュエル=ヨコセッシは立っていた!!
「はぁはぁ。ふざけたことしやがって!さすがに死ぬかと思った!だが、アタシの勝だ!」
そう言ってヨコセッシは片手剣を素早く取り出し、魔力が切れ驚愕しているレイの元へ一瞬で移動した。
そして、有無を言わさずレイを一刀両断した!!
「レイ!!」
カラバッジオが叫ぶが何もできずレイは斬り裂かれた!
「くそぉぉぉぉぉ!!!」
叫ぶカラバッジオ
「てこずらせやがってクソガキが!!」
勝利を確信したジュエル=ヨコセッシ
そして、ジュエル=ヨコセッシの足元には真っ二つに斬り裂かれたレイの死体が・・・ない!?
『シャドウ=イリュージョン』
「なっ!?」
驚愕するヨコセッシ
そして、ヨコセッシの後ろにレイが現れた。
即座にレイの存在に気が付き裏拳を放つヨコセッシ!
しかし、レイはしゃがみ込み避ける。
そして、その反動を使って飛び上がる!
「土竜斬り!!」
それはレイの
昔からピピンと一緒に闘い使い込んだ、慣れ親しんだ技。
それが最後の最後で咄嗟に出たのだ。
短剣は持っておらず、素手での攻撃であったが、最後の最後にこの技が出た。
レイの右アッパーがジュエル=ヨコセッシの顎にクリティカルヒットした!!
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