第82話 ピピンVSバズク

ちょっとっと遠くの方でレイがグラマナスな女の子とイチャイチャし始めたと思ったら、その女の子が仲間割れしたようだ。


スゴいラフな感じだったのにキレたらなんかメチャメチャ怖い口調になってる!

あれが女性の二面性ってやつなのかな?

普段優しいマリーもああいう風になっちゃうのかな!?

いやいや、今そんなこと考えてる場合じゃない!


ともあれ、これでなんか勝機が見えてきた気がする!


そう思うと、少し肩の荷がおりたピピンは、再度相対するバズクと名乗る女に向き合った。


「っち!何やってんだ!あの食い意地バカは!あれが同じ四弟姫とは考えられないわ」とナニアを吐き捨てる、チェリークラッシュのバズクは一瞬で戦闘態勢に戻った。


「さて、バカが暴走したせいで予定変更だ。速攻で犯して殺してヤる!」


「ひえぇ!結局犯すの!!やだよ!僕には心に誓った娘がいるんだ!お前なんかにはヤらせないし殺させない!!」


2人がそういうと戦闘が一気にヒートアップした!


四弟姫 チェリークラッシュのバズクの得意技はチェリーくらいの大きさの爆弾を魔法で作成し、それを投擲したり隠し罠にハメたり、拳や足に纏わせての攻撃と自身と同じくらいの大きさがあるんじゃないだろうかというハンマーで攻撃をしてくる戦闘スタイルであった。


ピピンはバズクからの開幕の一撃で足が地面に埋まってしまい動けない状態であった。そこへ距離をとったバズクからの爆発チェリーが大量に投擲された。

それに対しピピンは自身の得意魔法である火属性魔法を自身の剣に纏わせて次々と投擲されてくるチェリーを叩き切るのだが、その都度爆発が起こる。

ピピンはどんどん削られていった。


ピピンには最悪の相性の相手であった。


「はぁはぁ。クソ爆弾の弾幕が凄すぎて近くに寄れない!」

「あっはっはっは!口だけだったねぇ?もう満身創痍じゃないかい?ここらで、トドメをさして、犯してあげるとするよ!」


連鎖する爆発チェインエクスプロージョン!!」

バズクが詠唱すると先ほどまでとは比べ物にならないほどの量の小型爆弾魔法が放出されピピンの前で爆発し連鎖し超爆発を起こした!!


横目で見ていたジュエル=ヨコセッシは、『これは勝負ありだ。あの小僧は足が埋まっていて逃げれない。あの爆発に巻き込まれればバズクの勝利は確実だ。後はナニアを片付ければ全て片が付く』と思った。


その時だった!


束縛する想いロック・ロック

ピピンが魔法を唱えた。

それは攻撃魔法ではなく、ただただ、繋ぎとめるだけの拘束魔法であった。


束縛する想いロック・ロックはピピンが土魔法と風魔法で作り上げたオリジナルで、その元になった魔法は、数年前、邪界虫デスマンティーが行った自爆攻撃を封殺した師匠たちの魔法から着想を得た魔法であった。


束縛する想いロック・ロックが発動すると同時に大爆発を全て飲み込みピピンや周りへの被害をゼロにしてしまった。


「なっ!何つー隠し玉を!これだからチェリーってのは脱がしてみないとわからないもんだね!一皮剝かれて成長されちまう前にカタつけないとダメね!」

バズクはそう言うと己の身体に爆発魔法を大量投下しながら、爆発魔法を付与してある大きなハンマーを横薙ぎに振りかぶってきた!

「爆ぜて剥けて死ね!『爆発花デス・パウンド』ウラァァァァ!!!!」


爆発する花が咲くたびにピピンの装備が爆ぜ欠落していく。

ドン!ドン!ドン!!と爆発しながら確実にピピンを追い詰めていく。


だが、ピピンは諦めていなかった。

ピピンはここが勝負を決する時と考え、すべての防御を捨て、己の剣に力を込めるのであった!


バズクの横薙ぎのハンマーがピピンに被弾する直前に、それは完成した。

ピピンの剣には気と火属性が満ち溢れ、剣を握る腕には風属性を纏っていた!


そして、勝負は一瞬で決した。


『纏魔改 崩牙』


大上段に構えられた剣を一直線に振り下ろし放たれた一撃は神速を誇る絶大な威力であった。


バズクはハンマーを叩き斬られ、そのまま自身も被弾し為す術もなく散り、意識を手放すのであった。


「はぁはぁ!なんとか勝ったよ!後はみんなヨロシクね!ちょっと打たれすぎた。僕はちょっと休む・・・」


そう言ってピピンは倒れるのであった。


ピピンVSバズク


勝者 ピピン

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