第81話 ナニア

そのままナニアに力いっぱい引き込まれ今、ナニアと抱き合う形になっている。


当のナニアは「えへへへ!マジ神だぁ~!あーしチョー嬉しい!ずっとレイっちに会いたかったんだよね~まさか会いに来てくれるなんて、寝込みを襲いに来てくれるなんて、あーしマジ感激!」


といった感じで、本気なのか寝ぼけているのかわからない状況。


凄い力で抜け出せないし、何よりも、それどころじゃない!!


『ズガーン!』とフロッガが人間大砲の様に突っ込んできた!

そんな呆けた俺はいっきに現実に引き戻された!


「あぶねぇ!はっ!ナニア大丈夫?」


「いったぁ~い!!何すんだよこのクソガエル!あーしがレイと良い感じなの邪魔してんじゃねぇよゴラァ!!」


「あ?何言ってんだこのブスが!そいつはアヂシのエボノだ!!殺すゾ!!」


「あぁ?テメェの獲物だとクソガエル!!レイはあーしのモンだ!テメェなんぞにくれてやる訳がねぇだろ!!」


俺を他所にバチバチと一触即発な雰囲気なナニアとフロッガ。

そこに制止が入った。


「何やってんだお前たち!あたしの命令が聞けないってのかい!ナニア!起きたならさっさとそのこの3人片付けちまいな!四弟姫していきの1人なら命令に従え!」


ジュエル=ヨコセッシの命令を聞いてグルっと俺たち3人を見渡すナニア。

そしてナニアはこう返答した。


「うるせぇよ!金満クソババァ!!テメェが喰いたいものなんでも喰わせてくれるって言ったから、あーしはついてきてやってただけだ!あーしに命令してんじゃねぇよ?それにぃ~あーしは、あの日と今日で完全にレイっちのモノになったんだ。あーしのレイっちやその仲間に手を出すってんなら挽き肉にすんぞクソババァ!!」


「オバエ!ジュエル様に何て口きいてんだ!コロす!!」

そう言うや否やフロッガは得意の人間大砲をしかけてきた!


ドッゴーン!!と超重量の巨体がナニアに衝突したと思われたが、ナニアは1ミリも動いていなかった。

それどころか、ナニアは片腕だけで、フロッガの人間大砲を受け止めていた。


「あ?テメェごときクソガエルが、あーしとヤろうってのか?あ?」


「ちっ!面倒な餓鬼だ。スラムで腹空かせてたところを助けてやったってのに、もうその恩すら忘れてんのかい!フロッガ!もういい。ナニアを殺せ!そこの男はアタシが直々に生皮ひん剥いて絶望味わわせて殺してやる!!」


「あ?クソババァ!なんつった今!殺すぞ!レイはヤらせねぇぞ?むしろ、テメェごときにレイっちがヤられる訳ねぇだろ!このクソガエル挽き肉にしたら、次はあんたソッコーで挽き肉にしてやるから待っとけよ!!」



ナニアのキャラ変に若干引きつつも俺たちにとっての状況が良くなった!

ジュエル=ヨコセッシの4名の最強の手下である四弟姫していきのうちの1人が一時的にとはいえ仲間になったのである!

勝機が見えてきた!

後は俺がジュエル=ヨコセッシを越えるだけだ!!

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