第78話 2つ目のクエスト

俺たち3人はエヴァンさんに呼ばれ城の中の会議室にいた。


「3人ともよく来たね。今日は他でもないレイくんとピピンくんに与えたクエストについてだ。」


「あぁ?だったら俺は関係ないだろ?」


「ん?まぁね?でも、君は大臣見習いだし2つ目のクエストは国に関わることだからね。君も聞いておいた方がいい。それに、このクエストを達成したら被害に遭っていた(大ウソ)侍従長のフランソワも喜ぶだろうなぁ~」


「な!なんだと!それをは、早く言ってくれよ!フ、フ、フラ、いや、国に関わることなら大臣見習いである俺に関係あることじゃないか!それなら協力してやってもいいぜ!」


「ありがとう。助かるよ(チョロいな)カラバッジオ♪でだ、ピピン、レイ!」


「「はい!(確かにチョロいなカラバッジオ)」」


「改めてクエストを言い渡す。1つ目のクエスト『スラムの王 カラー=ジョーの捕縛』は先日達成された。むしろ、今やカラバッジオは我らの大事な仲間だ。」


「え?俺ってクエスト課題だったのか、、、」

「「いや、まぁドンマイ。でも、今は大事な仲間だから・・・な?」」


「そうそう!落ち込むことないよカラバッジオ!君はよくやったよ!現にレイはギリギリだったしね~。まぁ今だから言っちゃうけど、レイがあそこで負けてたら僕が出てボコボコにする予定だったけどね♪」


「な!なんか複雑だ俺。さっきから・・・」


「さっ気を取り直して2つ目のクエストについて改めて説明するよ!」


そう言ってエヴァンさんは改めて俺たち3人に2つ目のクエストの説明をしてくれた。


2つ目のクエストは国の宝物庫を打ち破り国民たちの税や国所有の財宝を強奪した『強欲女帝ジュエル=ヨコセッシ』率いるアマゾネス軍団を壊滅させ、ジュエルを討ち取り奪われた税金や財宝を取り戻すことだ。


そして、1つ目のクエストも金級相当の実力がないと達成困難だったが、このクエストはカラバッジオのクエストよりも難易度は遥かに高いとのこと。


また、カラバッジオが地味に傷ついている。


「って感じなんだけど、正直レイとピピンの2人だと現状でもキツいと思っていた。そこに現れたのがカラバッジオくんだ。君は実力もあるし色魔法で応用も効くオールマイティだ。だから君が2人に加わってくれれば、もしかしたらいけるんじゃないかなって僕は思ってる。」


この話を聞いたらカラバッジオは一目見て喜んでるのがわかった。

やはりチョロいぞカラバッジオ!!


だが、実際エヴァンさんは本音で言っているのだろう。

つまり俺たち2人の実力不足。

相手がそれだけ強いということだ。


「お?顔つきが変わったね3人とも♪そうだね。気を引き締めなければやられるよ。現に城の手練れのレンジャーが居場所を突き止めたんだけど、深入りしすぎて返り討ちにあったよ。命からがら逃げてきたけれど重症だ。それにね、どうやらワザと逃がしたみたいなんだ。」


「なんでワザとだと?」


「それはね、逃げてきたレンジャーの身体に縫い付けられた手紙があったんだ。手紙には『かかってこい五芒星騎士!!強欲女帝ジュエル=ヨコセッシ』って書いてあったんだ。いくら戦闘職でないとはいえ彼らも弱くないからね。そんな彼らを圧倒したんだ実力は本物さ。」


「それほど強いんですか?」


「ピピンくん。あぁ強いね。いくら僕たちがいない時の強奪だったにしろ、厳重な金庫から財宝を盗むんだ。それにジュエル=ヨコセッシが強いのはもちろんなんだけど、アマゾネスってのは基本的に武闘派集団だから強いんだ。それがウジャウジャいる訳だ。なにより恐ろしいのがジュエル=ヨコセッシには直属の4人の暴れ馬がいるらしい。その4人のアマゾネスはジュエル=ヨコセッシと遜色ない力を持っているとか。そんな4人を倒さないとジュエル=ヨコセッシまで届かない。かなりハードだろ?ちなみに僕の見立てではその4人にすら今の君たち3人は勝てないかもしれないと思ってる。どうだい?それでもやるかい?」


「勝てないと言われて引き下がる訳がないでしょう!」と俺


「僕は何が何でも2つのクエストを達成しなきゃいけません!勇士として!マリーのためにも!!」とピピン


「お!俺だってフランソワのためにやってやる!」とカラバッジオ


墓穴を掘ったヤツが2人いるが俺たちの意思はエヴァンさんに伝わった!


「わかった!じゃあスペシャルメニューで君たちをさらに強くしてあげるから頑張ってヨコセッシ倒そう♪」


そして、墓穴を掘ったのは俺もだったことに気が付いた・・・

気が付いたときは更なる訓練地獄だった。。。

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