第73話 スラム開放

「はぁぁぁぁ終わった~疲れた~腹減った!!俺はもう一歩も動けない!」

そう言い終わるや否や俺は地面に倒れ伏した。


一方でピピンも大勢の手下にやきもきし、俺が纏魔を使用したことで、エヴァンさんに怒られることはないと判断したのか纏魔を使用した。


ピピンが纏ったのは水。


大勢の手下の攻撃をすべて清流の水の如く受け流し、その全てに激流の如く激しいカウンターをお見舞いして終わらせていた。


「ふぅ~さすがに何十人もいると倒すの大変だ。レイ~生きてるかぁ?フォローに行けなくてゴメン。」


「大丈夫だ~本当にヤバかったけど、取り合えず終わったよ。後はこいつら捕縛して終了だな。俺もう動けないからピピンよろしく~」


「も~レイはズルいな~でもわかったやっておく・・・」


とピピンが言い終わりカラー=ジョーの方に身体を向けようとしたらところ、カラー=ジョーの前に大勢の人影が現れた。


「やい!カラバッジョ様を連れて行くな!」「後生の頼みだ!カラバッジョ様を見逃してやってくれ!この人はスラムのためにやってくれてたんだ!悪い人じゃねぇ!!」「「「お願いだよ~!!」」」スラム中から住人が集まったのか、皆が皆カラー=ジョーを庇っている。

こいつは本当にスラムの住人に好かれているんだな。


ピピンがオロオロしていたので、立ち上がり声を張り上げて住人に説明する。


「俺たちはカラー=ジョーを殺しに来たわけではない!王様がスラムを救うと約束してくださっているからこそ、その使者としてカラー=ジョーが王様と話をするための場を設けるために来た。ただ、カラー=ジョーは王様と話をする気はないといい、この国を亡ぼすといったので、捕縛を試みたまで。命を取るつもりは毛頭ない。」


そういうと住人たちは静かになった。


そして、このタイミングというようなタイミングでエヴァン騎士団長が王様と一緒にスラムに現れた。


気配を察すると見えない場所に五芒星騎士の皆さんやロイヤルナイツの皆さんがいることがわかった。


多分、カームさんあたりが、俺たちが戦闘を始めたあたりで気が付いて守りを固めつつ王様に報告に行っていたみたいだ。


そして王様自らすらスラムへ入ることを意識していたようだ。


スラムという場に合わぬ恰好をしている王様からの言葉を俺も含めすべての人が待っていた。」


そして王様が口を開いた。


「儂はスラムを開放しようと思う。」

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