第67話 懺悔せよ!

スラム唯一の教会に着いた。


さっき話したおばさんの言う通り、教会だ。


中から神父が出てきて広間に通された。


でも、この神父さんムキムキだよ?

それに教会中から殺気を感じる。


「そこの2人よ。罪を認め懺悔するといい。」


「え?え?」


動揺するピピンをよそに俺は答えた。


「懺悔することなんてないぜ?でも何で俺たちが王の犬だってわかったんだ?確かにコイツの演技はダメダメだったけどさ、だからと言って王の犬と決めつけるほど馬鹿ではないだろう?」


「ふん。簡単なことよ。お前たちは我らが王のことを『カラー=ジョー』と呼んだ。それだけのことよ。」


「へ~カラー=ジョーって名前は王の犬を炙り出すためのエサだったのか!それなら、まんまといっぱい喰わされたなぁ。本当の名前はなんて言うんだ?後学のために教えてくれよ。」


「ふん。誰がお前たち犬どもに王の名を言うか!我らが王に二度と歯向かうことのできぬようにお前らの身と心に後悔を刻んでやろう!何、王の命により命まではとらぬから安心せい。」


「それはそれは、お優しいこった。ピピンいくぞ!」


「え?え?わかったよレイ!!」


「お前たち我らが王に反旗を翻す者たちに後悔を刻み付けておやりなさい!」


「「「「「ヘイ!!!!!」」」」」


屈強そうな男が5人いっせいに飛び出してきた!


「おやおや物騒なモンをお持ちで、俺たちも痛い思いは嫌なので抵抗させてもらうからな。」


俺がそう言うと同時に俺もピピンも気を体内に巡らせて、飛び出した!


屈強そうな男たちは多分何をされたか理解していないだろう。

気の力で移動力を上げた俺とピピンが一瞬にして自分たちの目の前に現れたのだから。

そして次の瞬間には俺たちの当身を受け気絶してしまったのだから。


思わぬところで修行の成果を感じてしまった俺とピピン。

ピピンは特にビックリしたようで、自分の身体を何度も見直している。


「なっ!あやつらが一瞬で!我が王に知らせねば!」


「いやいや神父様。逃げられないよ?カラー=ジョーの本当の名前教えてもらわなきゃいけないんだ俺たち。」と一瞬で神父の逃げようとしている扉に回り込みそう言った。


「キャッ!なんてことっ!」


そんなやり取りをしていると奥からシスターが悲鳴をあげて現れた。


ピピンがシスターに近づき事情を話そうとした。


「ピピン!そいつから離れろっ!!」


次の瞬間、ピピンを炎が襲う!


「うわぁぁ!!あっぶねぇ!」


間一髪だった。ピピンはシスターが放った魔法をよけた。


「お前がカラー=ジョーか?なぁシスター?」


「なんのことですか?」


「しらばっくれるなよ。スラムに入った時からずっと俺たちのこと監視してたじゃないかよ。じいさんだったり、おばさんだったりしてよ。」

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