第64話 第一のクエストについて

そんなこんなで修行開始から2か月が経過した頃、エヴァンさんから俺たち2人は呼び出された。


「2人の修行が順調なので、そろそろナン=ダッカーノ王からのクエストについて説明をしておこうと思います。」


「「おぉ!ついにですか!」」


「ピピン君の将来もかかっていることですしね(笑)さ、冗談はこれくらいにしてクエストについて話しますよ。

まず、難易度で言えばどちらも金級クラスの難易度ですからかなり大変です。

ただし、戦闘になった場合のことを考えると難易度が変わります。

まず、第一のクエストである『スラムの王 カラー=ジョーの捕縛』ですが、こちらは銀級相当でしょう。戦闘面的なことでは危険度はそんなに高くない。

というのも、このカラバッジオは色々な悪事をやれど、衛兵や冒険者などにケガこそ負わせど、殺しはしていない。」


「戦闘面では銀級なのに難易度はなんで金級なんですか?」


「いいところに気が付いたねピピン君。それはねカラー=ジョーを見つけ出すことが困難だからさ!ヤツは狡猾でね。我々がスラムに一歩でも入れば、その姿をくらませてしまう。なんならヤツの本当の姿をみたことがあるものが皆無に等しい。」


「なっ!五芒星騎士の皆さんでも本当の姿をみたことがないってどういうことですか?」


「ヤツはね。我々の予想だとヤツの職業とユニークスキルが関係していると思う。ヤツは非常に慎重で狡猾で小心者なんだ。だからこそ、それが厄介なんだ。」


「そんなに慎重な男なんですね。」


「そうだね。僕や五芒星騎士の名や姿はこの国では広く知れ渡っている。

だから、僕らがスラムに近づくだけでヤツは姿をくらますし、手下を使って我々の情報を集めてるんだ。だから尻尾をなかなかつかませてくれない。本当にタチの悪いやつだ。

その点、君たちはまだこの国に来て日が浅い。ヤツが情報を常日頃集めていてもまだまだ君たちの情報にはたどり着いていないと思う。だからこそ、今が最大のチャンスだと思っている。」


「なるほど。わかりました。なら早く行動に移した方がいいですね。」


「うん。我々としても期待しているよ。そして、もし万が一戦闘になっても今の君たちなら2人がかりでならカラー=ジョーには遅れはとらないと思うよ。だからヨロシクね。」


「「いざスラムへ!!」」

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