第63話 それから
『ワイルドブル』から宿舎に帰るとピピンがニヤニヤしてたので、話を聞いてみると今日は久々の休暇ということもあって、ずっと寝ていたとのこと。
そうすると部屋がノックされる音が聞こえたので起きてドアを開けたところ、そこにはマリアン王女が立っていたとのこと。
ナン=ダッカーノ国王がマリアン王女の嘆願を聞き入れピピンが休日の日に数刻の間であれば王城内にある庭園でのみ会うことを許されたとのこと。
これを聞いたピピンは瞬時に気を纏い一瞬にして早着替えをし身だしなみを整え部屋をでたとのこと。
ピピン曰くこれまでの修行の中でもできなかったことが出来た!とのこと。
そして、それを裏付けるかのように次の日からの修行でピピンは気の運用を遺憾なく発揮し『コツを掴んだね』と褒められていた。
そしてピピンは1日マリアン王女と庭園でのデートを楽しんだとのこと。
そんなピピンから「レイは何してたの?」と聞かれ図書館に行って学者のシュトに出逢い『大食漢』と『クラスチェンジ』について、とても有益な話が聞けたと報告した。
「へ~すごいね!そのシュトさんって!レイの謎をそんないっぱい解き明かしてくれたんだね!じゃあレイはクラスチェンジを目指さなきゃだね!そっか!それでレイはそんな美味しそうな匂いを充満させてるの?」
「え?あぁこれはそういう意味ではなくて、オルファスさんにオススメされた店に図書館の帰りに寄ったんだよ!そこがメチャクチャ美味しくてさ!それこそ俺たちと同年代くらいの女の子も俺と同じスペシャルってのをペロリと食べちゃうくらい美味しい店だったんだよ!ピピンも今度行こうな!」
「へ~そんな美味しい店だったんだ!ぜひ行きたいな~!それと、その女の子にも会いたいな~」っとニヤニヤしているピピン
「ん?どうしたピピン?なんでニヤニヤしてるんだ?それに『女の子に会いたいって』ってマリアン王女がいるのにそれはマズいんじゃないか?」
「ちがっ!違うよ!僕はマリーだけだよ!そうじゃなくて、レイさ~その女の子にキスされたでしょ?」
「!!!なんでそんなこと言うんだ!」
「動揺してる(笑)なんでかって?レイにしては珍しいね~!わからない?それはねレイ、ほっぺに脂まみれのキスマークついてるよ(笑)」
「なっ!嘘だろ!え?え?マジかよ!はっ!だから帰り道ですれ違う人や城の中の人が俺のこと指さしたり、生暖かい笑顔おくってきたりしたのか!!」
「やっちゃったね~レイ!で?どんな女の子だったの?」
「いやいや、そんなことないからな!あれはたまたまステーキ屋で隣に座った女の子が銅貨2枚足りなくてステーキ食べれなくなりそうだったから、お釣りからその分支払っただけだから!そしたら帰り際にいきなりキスされただけだからっ!!」
「すごーい!やるねぇレイ!ヒューヒュー!!」
そうやって、ピピンに小一時間冷やかされた。
そして、城で俺のキスマークを見た侍従たちから回りに回って五芒星騎士の皆さんやエヴァン騎士団長にまで、尾ひれがついた状態で噂が回り、次の日から1週間、鬼ハードモードでボコボコにされることをこの時の俺はまだ知らない。
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