第58話 王宮図書館
訓練という名の修行。いや地獄の日々が始まって一か月。
俺たちは初めて休暇をもらった!
興奮していた俺は早く起きてしまった!
対するピピンはまだイビキかいて寝ている。
暇だ!だが、ピピンが疲れているのもわかるから起こせない。
じゃあ先に出かけよう!
そう思いピピンには悪いが先に食堂で朝食をとっていると、オルファスさんがいた。
「オルファスさんおはようございます!」
「…レイか。おはよう。今日は休みじゃなかったのか?随分早いじゃないか。」
オルファスさんは無口だが嫌な人ではないっていうのが、この一か月でわかった。
「はい。久々の休暇でテンション上がってしまって早く起きてしまいました!ピピンを起こすのは悪いから先に街へ出ようかと。でも、どこに行けばいいか今、迷ってます。」
「…そうか。それなら『王宮図書館』に行ってみるといい。お前の『大食漢』のことが少しわかると思うぞ。あそこの『学者』たちは色々知っているからな。」
「『王宮図書館』に『学者』ですか?わかりました行ってみますね!」
「ああ…それと『王宮図書館』のすぐ近くにある『ワイルドブル』という定食屋へ行くといい。あそこの肉は旨い」
「ありがとうございます!」
そう言うと俺は朝食を食べきって、ピピンに伝言を残し街へ繰り出すのであった。
王都の西区にあるという『王宮図書館』に来た。
受付の女性曰く、この図書館は歴史深くかなり古い文献もあるとのこと。ここなら『大食漢』についての文献もあるかもしれない。
そう意気込み書籍のコーナーを聞いて調べてみるが大した成果はなかった。
どの文献にも『レアな職業だがハズレ職』と書いてあるだけだ。これじゃエリーナ公爵領で得たものとなんら変わらない。
やっぱダメ職業なのかな~って思いながら歩いていると、かなり前方で3メートは積みあがっているであろう本を抱える小さな人影がユラユラ動いている。
あれ前見えてんのかな?って思ったら案の定、机の角に足をぶつけてバランス崩して本に飲み込まれそうになってる!
「ヤバイ!」と思い駆け寄ろうと思ったところ、自分でもビックリするくらい身体が軽くそして速く動き本が降り注ぐ前に10メート離れた場所の人を救い、本も床に落とさずに全部回収できた。
そう思っていると、この小さい人が矢継ぎ早に話しかけてきた。
「やや!凄い!あなた『魔力』纏ってますね!五芒星騎士以外でこんなに早く動ける人初めて見ましたよ!本当に助かりました!」
俺が『魔力』を纏っていることも知っているこの人はなんなんだ?と思っていると自己紹介を始めてくれた。
「これは失敬。僕はこの王立図書館で『学者』をやっている『シュト』と言います。以後お見知りおきを」
「あっ!レイです!冒険者です。よろしくお願いします。」
「ふむ。レイさんですね。冒険者がココにいるというのは珍しい。何かお困りごとですかな?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます